![]()
(1)攻略作戦前哨戦 ブライトネス「いや〜、久々に帰ってきましたよ〜」 カナート「もう、始まっとるん?」 DM「始まっています(笑)。ブライトネスは久々だね。さて、前回君たちはトラキア河のヒドラを 再度封印して、トラキア河に架橋できる条件を整えたわけです。トラキア河の向こうには、人間 の街のノース・コーストがあります。そして総統はこのノース・コースト攻略に向けて作戦を練 る、というところでシナリオは終わっていました」 カナート「我々はスコッチ砦に戻っているのかな?」 DM「そうですね。ベルンシュトルフさんの元で過ごしているでしょう。そしてベルンシュトルフさ んは色々と情報を集めに手を尽くしています。効果はあったようで、つぎつぎと情報が集まって 来ています」 カナート「『敵のボスはキュウリが嫌いだ』とかいう情報かな?」 一同(爆笑) DM「いや、そんな情報なんの役にも立ちませんがな(笑)」 カナート「キュウリ畑で戦闘したらこっちが有利になるかも(笑)」 DM「いや、もっとマトモな情報ですよ。ベルンシュトルフさんの話では『諸君、ノース・コーストの 盗賊ギルド長とつなぎが取れたぞ』とのことですよ」 ダルメ「さすが将軍!あなたのおかげであんな総統でもこの国はやっていけています(笑)」 ブライトネス「な、なんか、私がいない間にいろいろあったようで…」 DM「いろいろあったんですよ。では、ノース・コーストについて調査し、分かったことを報告しま す。まず、この街は人口千人。恐るべきことは、なんと、デミヒューマンを探知するレーダーが あるということです」 一同「なにい!」 DM「街の近くにデミヒューマンが近付くと反応するそうです」 ダルメ「デミデミ、デミデミと大きなサイレンが鳴るんですね。なんておそろしい装置だ!(笑)」 ブライトネス「し、しかし、すると、我々は街に入れないじゃないですか」 クロト「そんなのなくても我々は街には入れないと思うけれどさ(笑)」 ダルメ「で、見つかったら衛視たちのマジック・ミサイルがブサブサと飛んでくる次第ですな (汗)」 DM「もちろん、分かっていると思うけれど、ノース・コーストの衛視たちは皆魔術師です。魔術 師優遇の国だからね。そして、呪文が使えない連中は冷遇されているので、盗賊ギルドは迫害 の対象になっています。それで、今回は協力してくれるわけです。『彼らと協力してノース・コー ストを落とさなければならんが、問題はその、デミヒューマン探知装置だ』とベルンシュトルフさ ん」 ブライトネス「我々は町中ではレーダーで探査されてしまうんですね」 カナート「その装置をなんとかしないといかんのか…ん?しかし、我々はどうやって盗賊ギルド と繋ぎをつけたんだろう?」 DM「いい質問だね。すると、ベルンシュトフルさんは指輪を一つ取り出します。『この指輪は 「血のひすい」と呼ばれる指輪で、これを付けていると、デミヒューマンの気配を消すことができ る。また、外見も完全ではないが、人間のように見えるのだ』と」 ブライトネス「すごい!と、いうことは、その指輪があればわたしも美男子に(笑)」 カナート「鼻がグスグスする男が一匹できるだけじゃないか(笑)」 ブライトネス「あ、あああ…(笑)」 カナート「しかし、将軍。その指輪が四つしかないというオチはないでしょうね(笑)」 DM「『いや、そんなことはない』」 カナート「おお、さすがだ」 DM「『一つしかないのだ』」 一同「なにぃぃぃ!」 クロト「タチ、悪っ!」 DM「『いや、大丈夫だよ。そして、これが手に入る場所も分かっている』」 ダルメ「ノース・コーストの街で手に入る、なんてオチじゃないですよね?」 DM「『いや、違う。ノース・コーストの南の森の中にバッフォという村がある。そこは薬草を扱う 村なんだが、そこから更に南下したところに、ハムリという、ハーフ種族達が集まって出来た村 がある。そこの連中が街に買い出しに行く時に使う指輪がこれなのだ』」 ![]() クロト「それを手に入れるのが、今回のミッションっぽいね」 DM「『うむ、ハムリの村まで行って、その指輪を手に入れるところから始めないとな』」 クロト「とろで、将軍。その村とボクたちの友好関係はどんな感じ?まさか、すごく険悪ってこと はないよね?」 DM「『残念ながら、今まで交流を持ったことはないのだ』」 クロト「そっちの方が案外楽かもね。ヘタな関係が構築されているよりは、ズバリと切り込めそ う」 DM「『では、頼むぞ。君たち』」 クロト「じゃあ、行こうよ。あ、そうそう、ハムリの村の村長の名前は分かっている?」 DM「ラドウィックさんという名前だそうだ」 クロト「その、ハムリという村に我々が行っても大丈夫かな?」 DM「別に手酷い扱いは受けないらしい。ただ、ハーフ種族の人たちはあまり外界とは付き合 いたがらないから、歓迎もされないだろうけれどね」 クロト「命の心配がないならまあいいや」 カナート「こっちから一つ聞きたい。ノース・コーストの守備兵はどのくらい居るのかな?」 DM「せいぜい三十人ってところ。それを全て撃滅したら、ノース・コーストを落としたことにな る」 カナート「指揮を取っているのは誰か分かる?」 DM「それもわかっています。ノース・コースト駐留軍の指揮官は魔剣のアリストテレスというらし い」 ブライトネス「負けんのアリストテレス?負けず嫌いとか?」 ダルメ「それはなかろう(笑)」 ブライトネス「もしくは哲学的なことを言いながら攻撃してくる魔術師とか」 DM「それはDM的に、考えるのが辛いなぁ(笑)」 こうして指令を受けた一行はトラキア河を渡って敵地に潜入する。ウォーター・ウォーキング の指輪を填めたカナートが、フローティング・ディスクの呪文を使って残る三匹を乗せる。 クロト「河幅はいかほど」 DM「一キロくらいかな」 カナート「みなさん、落ちないでくださいよ」 そして徒歩でトラキア河を渡河した。 途中で出現したオイルビートルも軽く蹴散らし、彼らは第一関門を無事に突破する。 (2)ハムリの村へ DM「では、何事も起こらずに河を渡った」 カナート「いや、オイルの襲撃があったぞ」 ダルメ「オイルっていうと、何か変なものに襲われたような気がしますな(笑)。いや、それはとも かく、目的地の村はまだ見えませんか?」 DM「君たちの目の前には森が広がっている。ここから南下してさらに半日というところだな。も っとも、夜になったから今晩はここで野営になるよ」 カナート「何も出ないといいなぁ。さあ、そして翌日になり、我々は無事に村に着きました」 DM「そんなわけあるか!(ころころ)おっ、出ました!」 ブライトネス「う〜ん、拙僧的に…残念!」 DM「では、長いものが三体ニョロニョロと出現です」 クロト「と、いうことはヘビっぽい?」 DM「うん、ヘビっぽい。」 カナート「知力チェックしたいけど」 DM「でも、夜だから、カナートのインフラの視界に入ってこないとわからないね」 ブライトネス「ふふ、ところが拙僧(←いつから呼称が変わったの?)インフラビジョンは90あり ます!カナートに、長いものの形状を伝えますよ」 DM「ではカナートは知力にマイナス5でチェックして」 カナート「(ころころ)おっ、成功!」 DM「では、そのヘビはピット・バイパーだ」 ダルメ「う〜ん、ムニャムニャ…まだ夢の中(笑)」 クロト「叩き起こすよ」 DM「おお、ここでピット・バイパーについて説明しよう。まず、奴は必ずイニシアチブを取りま す。そして、奴に噛み付かれると毒の生死判定をしなければならない。そしてチェックに失敗す ると即死です」 ブライトネス「の、ノー!」 クロト「ダルメ!いくんだ!そのメイス+2をヘビに炸裂させろ!」 ダルメ「お〜!こっちもノー!」 クロト「しかたがない!今日はキラークの奴がいないのよ!」 前衛はクロトしかいない。向こうの方が素早いので逃げる訳にはいかない。仕方なくダルメは 自身にストライキングをかけて、メイス+2を持って突っ込んでいく。ハタカーン・クレリックは普 通のクレリックと違って革鎧までしか付けられないので装甲は基本的に紙に等しい。 カナート「マジック・ミサイル!分散させて攻撃だ!」 DM「(ころころ)おっ、なんと運がいい。当たった二体とも死亡だ」 冷汗の中でビット・バイパーを撃滅。幸い死人は一人も出なかった。本当に冷汗を拭いなが ら戦闘が終了した。 ブライトネス「さあ、今日も頑張って行きますか」 ダルメ「ハムリの村まであと少しですかね。確か、ハムリの村の近くにも村があるんでしたね」 DM「あるよ。バッフォという村が」 クロト「そこと交易をしているのかな?まあ、今は後回しをしてもいいけれど」 DM「(ころころ)はい、では無事に村に着きました。森のなかの一画が開けて草原になってい て、家が何軒かあります」 ブライトネス「そんなに、人数はいそうにないですね」 DM「そうだね。村の中に大きな家があって、そこが村長の家っぽいよ」 ブライトネス「周囲に人影は?」 DM「町のなかには人間、ハーフオーク、ハーフ・エルフなど、色々います」 カナート「人間もいるのか?それはハーフの人たちとカップルになっているのか?」 DM「そういう人もいるようです」 ダルメ「はぐれた人間もいる村かもしれないですね。この調子でははぐれ刑事とかも住んでい るかも」 一同(沈黙) ブライトネス「人間と村の人たちは普通に話しているんですね。にこやかに語り合っているとい うわけで」 DM「そうです」 ダルメ「にこやかに拳で語り合っている…」 クロト「(苦笑)とりあえず、カナートと僕で話し掛けてみようよ。犬っぽいのと犬が話し掛けるよ りはましだと思うからね」 ブライトネス「ちょっと…犬って…」 ダルメ「犬っぽいって(涙)!」 カナート「では、魅力満点の私がエルフ的スマイルで話し掛けましょう。もしもし?」 DM「では、話し掛けられた人が怪訝そうに『おや、君は指輪をしていないね』と」 カナート「あ、分かりますか?」 DM「『指輪を填めないと駄目だぞ。填めていれば人間に見える。填めていないと…』と言って 彼は指輪を外します。すると、たちまちその姿はハーフ・ノールに変化します」 カナート「おお!すごい!」 ダルメ「実は我々、その指輪を譲っていただきたくて、この村に来たのですが」 DM「『ならば村長に聞いてみなさい』」 ダルメ「では、村長の…え〜と、アレキサンドリアさんでしたっけ?」 DM「ラドウィックさんなんだけれど。全然合っていないよ(笑)」 カナート「村長の家はあの大きな家ですな?」 DM「『おお、そうだよ。最近忙しくてドタバタしているけれど、たぶんいるだろう』」 カナート「何かありましたか?」 DM「『娘が結婚するんだよ』」 カナート「それはめでたい!」 ブライトネス「満面の笑みを浮かべましょう」 DM「犬顔がスマイルされても不気味だとおもうけど」 ブライトネス「ぬ、ぬおう!拙僧、ショボーン↓」 クロト「取りあえず、村長の家に行ってみるか」 (3)婚約破棄? DM「では、村長の家の前まで来ました。ここでみんな敏捷チェックしてみて」 カナート「(ころころ)成功!」 ブライトネス「(ころころ)成功ですよ」 ダルメ「私もわかりました」 DM「では、成功した人は、家の中から娘の泣き声が聞こえる」 ブライトネス「ちょっと耳をそばだててみましょう」 DM「聞き耳は持っている?」 ブライトネス「ないです。普通に聞こえる範囲で聞いてみます」 DM「じゃあ、一応チェックしてみるか。(ころころ)おっ、すごい。聞き耳を持っていない奴が聞 こえた(笑)。娘さんの泣き声は…」 ダルメ「なんで相手の顔がこんなにブサイクなの!と娘さんは嘆いている(笑)」 DM「いや、違う(笑)。『なんでネレイドは断ってきたの!』と聞こえるよ」 カナート「ネレイド?人名っぽいな。と、いうことは婚約破棄?それに対してパパはなんて答えて いる?」 DM「『きっと向こうにも深い事情があるんだよ』と言います。そしてあとは娘さんの泣き声が続 きます」 ダルメ「いや、確かに。婚約まできてドタキャンされたら、それはそれは手酷いダメージでしょう (←何か経験でもあるのか?)」 カナート「うおぅ!なんて気まずい所に来てしまったんだ!入り難い!」 クロト「やあ!こんにちわ!(笑)」 ダルメ「ああ!クロトが入ってしまった!」 クロト「だって僕、なんにも聞こえてないもん(笑)」 DM「では、耳の長いおじさんが出てくる」 カナート「慌ててクロトの口を塞ぎつつ『すみません、取込中にお邪魔しまして』」 DM「『いったい何の用かね』」 カナート「唐突で申し訳ないですが、『血のひすい』の指輪を譲ってもらえませんか?」 DM「『なんだ?君たちはこの村に住むつもりなのか?』」 カナート「いや、そういうわけではないんですが…事情がありまして…ううん…どう言えばいいか な?」 ブライトネス「正直に話しましょう。今までのことを話して、人間の町に行かなければならないこ とを伝えます」 カナート「村長、こういうわけで、我々は人間とデミヒューマンの懸け橋になるつもりで動いてい るのです」 ダルメ「そして、村長の口からは『娘の縁談をまとめてくれたら、「血のひすい」の指輪を渡して もいい』との言葉が…」 カナート「ダルメ!そんなことは、推測できても喋ってはいけません!」 クロト「喋るとそのことはたいてい現実になっちゃうもんね」 DM「取りあえず事情を説明させてよ(笑)。村長の娘さんはセネカといってハーフ・エルフです。 セネカはネレイドという青年と婚約をしていたんですが、村長の話によると、この前向こうから 破談の通知が来たらしい。それで娘は涙にくれているという次第です」 クロト「その、ネレイドというのはバッフォの村の住人とかいうオチ?」 DM「そうらしいです。しかも、バッフォの村の村長の息子です」 ダルメ「おお、ロミオとジュリエットの世界みたいですね(笑)」 カナート「失礼ですが、村長。ネレイドさんは、娘さんがハーフ・エルフであることは知っていた んですか?」 DM「『知っているよ。しかも、それでいて、この村に婿入りして住んでくれるとまで言っていたん だ』」 カナート「それなのに破談になった?破談の通知が来たのはいつです?」 DM「『一週間前だ。君たち、一つ頼みがある。バッフォの村に言って、彼が何で縁談を断って きたのか調べてくれ。そうすれば「血のひすい」の指輪を渡してもいい。君たちも、人間とデミヒ ューマンの懸け橋になるというなら、一つ今度のことで助けて欲しい』」 カナート「お任せください!」 クロト「場合によっては強硬手段!世の中にはチャーム・パーソンという便利な呪文もある!」 ダルメ「スネイク・チャームとかじゃ駄目?駄目だよね(笑)。ああっ!しかもそんな呪文がある なら、さっきのピット・バイパー戦はもっと楽に進んだのに!(汗)」 ブライトネス「セネカさんに聞いてみます。いったい、そのネレイドさんは、どのように断って来た んですか?」 クロト「お前、悪魔か」 DM「『手紙が来たんです。「僕と君とは結婚できない。僕は一生村から出られないんだ」という 文面で…』」 ブライトネス「その手紙を見せてください」 DM「では、手紙を見せてもらえるけれど、もう滲んでグショグショになっていてよくわからない よ」 ブライトネス「引っ繰り返してみますけれど、あぶり出しになっているとかはないんですね?」 DM「それはわかんない。やってみるかい?」 ダルメ「なんか、どうでもいいところに時間をかけているような気がするんですけれどね」 クロト「ともかく、行こ、行こ」 DM「『ああ、そうだ。君たちはバッフォの村から北に行くなよ。ノース・コーストの町が発してい るデミヒューマン探査装置に引っ掛かってしまうぞ』」 クロト「それは承知!あ、ということは、指輪は今は貸してもらえないんだね」 DM「いや、そうでもない。『今は数がないから、君たちが帰ってくるまでに作っておこう。必要な ら私の指輪を使ってくれ』と渡されるぞ」 カナート「一個だけか〜」 DM「この指輪は作るのにとても手間がかかるので、村人に持たせているもの以外には予備が 今はないそうです。この村の地下にあるひすいの鉱脈から原石を切り出し、時間をかけて磨き 上げないと指輪は作れないそうだ」 カナート「貴重品なんですな。そうだ、娘さんの指輪も借りれないかな」 DM「借りられるよ。『よろしくお願いします』と言って指輪を渡してくれるけれど」 カナート「よし、おまかせください。これで指輪が二個になった」 クロト「村長、そのバッフォの村に、ネレイド君以外には知り合いとかいるの?我々の泊まる場 所とか確保できないかな?」 DM「『ああ、バッフォの村にカートという薬草の行商人がいる。ドクダミとかゲンノショウコなど を扱っている男だが、そいつの家に泊めてもらえばいい』」 カナート「もう一つ。バッフォの村の村長の名前は?つまり、ネレイドのお父さんね」 DM「ジェナートさんというそうだよ」 クロト「よし、ではバッフォの村へ行こうよ」 こうして、今回のミッションの内容も概ねバレたのであった(笑)。そして一行はハムリの村を 発ってバッフォの村へ向かう。ちなみに二つの村の名前は、スポーツ新聞の野球欄を見ていて 命名したのは、未だにバレていない事実である(笑)。 (4)マトモな村? DM「では、バッフォの村についた」 カナート「よし、潜入工作ですな」 クロト「この指輪、誰が付ける?やっぱり、僕とカナートが妥当かな?」 カナート「いや、ブライトネスとダルメにまずは付けさせて、どうなるか見てみよう」 ブライトネス「へへへ、ちょっと付けさせてくださいよ」 DM「ではブライトネスが指輪をハメると、妙に犬顔の小男に変化する」 ブライトネス「鏡、鏡って、これ格好悪いですよ」 カナート「元の姿の方が格好いいぞ」 ブライトネス「う〜ん、残念!」 ダルメ「私はどうなるんですか?」 DM「そうだね。ま、ス●夫みたいな、口の尖った男の姿になる」 カナート「あんまり効果ないなぁ。我々だとどうなる?」 DM「まあ、ちょっと変だけど子どもと青年に見えるよ」 カナート「まあ、いいか」 DM「はい、ではここでみんな敏捷チェックしてください」 全員「(ころころ)成功!」 DM「では、村から何か変な臭いが漂っているのがわかるよ」 クロト「どんな臭い?」 DM「知力チェックをしてみて」 クロト「(ころころ)成功!」 DM「では、その臭いは、ドクダミを薫いている臭いらしいことがわかる」 カナート「防虫でもしているのかな?ドクダミの効果は?」 DM「知力チェックしてみて」 カナート「(ころころ)あらぁ!わからん!」 クロト「取りあえず、カートのところに行ってみない?」 カナート「しかし、全員は行けないぞ」 ブライトネス「とりあえず、カートの家に行くグループと、村長の家に行くグループと別れて、指 輪をその都度交換しあえばいいんじゃないですか?」 カナート「では、人間っぽい奴と、それっぽくない奴と分けよう」 こうして、カートの家に向かうクロト&ダルメと、村長の家に行くカナート&ブライトネスの二グ ループで別行動することになった。 クロト「では、カートの家に行こう。ドアをノック!」 DM「では、でっぷり太った男が現われて『何の御用ですか?』と」 クロト「あなたがカートさん?」 DM「『ああ、すいませんね。カートはただ今旅に出ていまして』」 クロト「じゃあ、あなたは?」 DM「『私はカートの友人でデービスといいます』」 ダルメ「この前、村長の息子ネレイドの縁談が破談になったのをご存じですか?」 DM「『いや、申し訳ない。私も先日この村に来たばかりで、詳しいことは知らないんですよ』」 ダルメ「あなたはどうしてここにいるんですか?」 DM「『私は旅の商人でして。カートのつてでこの村に商売に来たんですが、奴がいなくて困って いるんです』」 ダルメ「ちょっと品物をみせてもらえますか?」 DM「『いいですよ。何か気に入ったものがあったら買っていってください』」 ダルメ「本物の商人?…いや、それにしても臭いですね」 遠くのカナート「こっちもこっちで空気が臭い(笑)」 DM「では、デービスさんは品物を取り出す。指輪やポーションとか。斧もあるよ。あと、変な角 みたいなのもある?」 クロト「角?ま、まさかブラスティング・ホーン…(火炎を吹き出す角笛です)」 ダルメ「リングもあるんですね」 クロト「おっと、平静に戻るよ(汗)。この斧はどんな斧なの?」 DM「『魔法の斧です。安くしておきますよ。三万GPでどうです?』」 クロト「高すぎ!」 ダルメ「神の名において、十日で三割利息で貸しましょうか?(笑)」 なんか話が微妙に逸れていったが、クロトとダルメの二人は品物の値引き交渉を始めた。結 局クロトはハンドアックスを購入。この斧は+3の斧なのだが、装備するとACが1上がってしま うのである。散々粘って交渉した結果、1万GPで妥結した。ダルメは二千GPでポーションを買 ってみる。すると、これはインバルネラビリティという長い名前のポーションであった。飲むとST が2良くなる魔法のポーションである。他にはレビテーションブーツが1万GPであったが、これ はさして役にたたないので買わなかった。変な角は3万GPなので、とても手が届かない。最後 に指輪が一個残った。わけがわからない指輪だったから、買わなくてもいいはずだったのだ が、なぜかダルメがこれに固執する。 ダルメ「指輪!指輪を!」 DM「『売ってもいいが、九千GPだよ』」 ダルメ「取りあえず、填めさせてみたくださいよ」 DM「じゃあ、貸してもらえるよ」 ダルメ「填めてみるけれど、どうですか?」 DM「『では、ホーリネス・リング(呪文の使用回数が増える)だ』」 ダルメ「なにぃ!早速買いです!」 と、いうわけで、わけがわからないうちに訳が分からないほど金を使った一行であった。そし て、すっかり本来の目的を忘れたダルメとクロトは、残る二匹の所に戻ってきた。 ダルメ「いや、カートの家には変な商人がいるだけでした(笑)。あまりにも商売がヘタな商人で したが。案外、商人のコスプレが好きな変態だったかもしれません」 クロト「斧も買った。久しぶりに金を使ったよ」 カナート「ところで、この村に宿はあるのかな?」 DM「小さい村だから、宿屋はないねぇ」 カナート「じゃあ、そのカートの家に泊めてもらおう」 ブライトネス「変な商人がいても大丈夫ですか?」 ダルメ「何を言うんだ。彼はいい人ですよ(笑)。お金の価値がよくわかっていない、とてもいい 人でした(笑)」 カナート「なにはともあれ、指輪をしていない連中が隠れる場所が欲しい」 ダルメ「じゃあ、さっきのいい人に聞いてみましょう」 こうしてクロトとダルメは指輪を外し、元の姿になってカートの家に潜伏。(デービス「うわっ! なんです!あんたら」クロト「見た通りだ!」)そして、ブライトネスとカナートが今度は人間に化 けて村長の家に向かうのである。 (5)悩める青年 ブライトネス「村長の家に行く前に、酒場とかに寄って情報を集めてみたいんですが」 DM「この村には酒場というものはない」 ブライトネス「ないんですか。残念!」 DM「かわりに、なんか漢方のお茶屋みたいな店があるけれどね」 カナート「じゃあ、入ってみよう」 ブライトネス「中は繁盛してます?」 DM「いや、誰もいないよ」 カナート「この時間に繁盛していないとは、亭主、大変ですなぁ」 DM「いや、マスターもいないけれど」 カナート「なぬぅ!これは予想外だった!…ふと思ったけれど、村に人って歩いていた?」 DM「ははは、なかなか鋭い。歩いていませんでしたよ」 ブライトネス「ますますあの商人はアヤシイ!他の家には明かりがついていたりします?」 DM「家に明かりはついているよ」 カナート「なんか嫌な感じだね。村長の家に行ってみるよ」 DM「じゃあ、着いたけれど」 カナート「どこがネレイド君の部屋かわかるかな?」 DM「それは難しいなぁ。じゃあカナートは、知恵にマイナス5してチェックしてみて」 カナート「(ころころ)おっ!1!」 DM「すごい!ではカナートは、村長の家の二階の窓に、一瞬若い男の姿が映ったのを認め る」 カナート「あそこか。よし、ここはクライミングロープ(勝手に伸びていく魔法のロープ)で登ろう」 カナートは魔法のロープを取り出した。ロープがニョロニョロと二階の窓まで伸びていく。カナ ートはロープに身体を結んで勝手に昇らされていく。しかし、DMとしてはちょっと参った。カナー トがこのアイテムを持っていることをすっかり失念していた。本当はこのシーンに使ってもらい たくて、商人の売品の中にレビテーションブーツを用意しておいたんだけれど(苦笑)。 カナート「窓をコンコンと叩いてみます」 DM「では、一瞬驚いたような声がするけれど、恐る恐る窓が開くよ」 カナート「こんにちわ。ネレイドさんですね。私たちはセネカさんの使いで来たものです」 DM「『セネカの使いですって?ああ、でも、間に合ってよかった。今日でもうドクダミの在庫は 尽きてしまいましたから』と言う」 カナート「ドクダミ?それは、村人の様子がおかしいのと何か関係があるのですか?」 ブライトネス「村の人間がみんなドクダミ中毒なんですか?」 カナート「セネカさんのことを話そう。アナタのことを思って彼女は泣いていましたよ」 DM「ネレイド君は『セネカ…ごめんよ…』と涙にくれます」 カナート「婚約破棄はあなたの本意ではないと思っていました。詳しい事情を話してもらえませ んか」 カナート「『実は、僕を含めてこの村の者は人間ではないのです』」 ブライトネス「なんなんです?」 DM「『この村の人間は皆ライカンスロープなんです』」 一同「なにぃぃぃ!」 遠くのクロト「ちょっと待って!僕達、そんな病気かかったら即死亡!」 獣人化する病ライカンローピィは、普通の人間なら、罹っても獣になるだけですむ。しかし、半 分バケモンであるデミヒューマンがこの病に罹ると、元々がバケモンなので獣になることができ ず、即死してしまうのである。 ブライトネス「はあ〜、そ、そうっすかぁ(溜息)」 DM「ハムリの村も訳ありの村だったけれど、この村もやっぱり訳がある。この村はライカンス ロープの病気にかかった人たちを隔離するために作られたんだ。ドクダミは、ライカンスロープ 病の進行を押さえるクスリだそうだ。ところが、そのドクダミが最近になって枯れ始めたという」 ブライトネス「それでカートさんが、薬草を取りにいっているというわけですね?」 DM「『え?いえ、カートのことは知りません。ドクダミは村の周囲に生えていましたので、今まで はいくらでも摘めました。ところが最近、ドクダミが枯れはててしまったんです。このままでは僕 らは完全にライカンスロープになってしまうでしょう。そうなってはセネカと結婚するわけにはい かない。だから僕は彼女に別れを…』」 ブライトネス「ちょっと待ってくださいよ。キュアー・デジーズの呪文で治せるはずですよ。まだ、 完璧になっていないなら、治療できますよ」 ダルメ「(ルールブックを見て)…11レベル以上の僧侶が唱えるキュアー・デジーズでないと治 せないと書いてありますが…」 ブライトネス「ぬ、ぬぉぉぉ!」 DM「『だから、僕たちは、ドクダミで進行を止めて、高名な僧侶の助けを待っているんです』」 ブライトネス「町から呼んでくるとかできないんですか?」 DM「この国には人間の僧侶は稀だからね。まさに一縷の望みでしかない。でも、完全にライカ ンスロープになってはもう治せないから、ここでドクダミを使って進行を押さえているというわけ だ」 カナート「ドクダミって、ケガワントの周辺でも生えていたよな?」 DM「生えていました」 ブライトネス「これは、我々から人間に提供できるものかもしれませんよ」 カナート「しかし、今はもう猶予がない状態だ。ネレイドさん、具体的に、制限時間はあとどれく らいですか?」 DM「『今日でドクダミの在庫が尽きてしまいましたから、進行が早いものは、明日の夜にはケ ダモノ化してしまいます』」 カナート「猶予はあと一日しかないのか!よかった!早めに向こうを発って!」 ブライトネス「ドクダミを探さないといけませんね」 カナート「しかも片道が半日以内でのところでだ」 ブライトネス「ハムリの村にドクダミはあったかな?」 DM「いや、なかったね」 ブライトネス「まずいです!ケガワントに戻っていては半日以上かかってしまう!」 DM「あと、あまり北上はできないよ。ノース・コーストのレーダーに引っ掛かるからね」 カナート「ネレイドさん。どこか、ドクダミがありそうな場所は思い当りませんか?」 DM「『ドクダミ畑が村の東北にありました。その奥の森なら、まだドクダミが残っているかもしれ ません。でも、その森にはドライアードが居て、誰も近寄れないんです』」 カナート「ミ…ミドリ女のトラウマが…エントの門が恐い…」 ブライトネス「どうかしたんですか?」 クロト「きっと、嫌な思い出があるんだよ(笑)」 ブライトネス「まあ、とにかく、我々に任せてください。あと一日あるんだから、なんとかしてみせ ますよ!あなたたちカップルを人間とデミヒューマンの懸け橋一号にします!」 似合いもしない格好良いセリフで場を締めた後、ブライトネスとカナートは、ズタ袋を担いで、 商人カートの空き家に帰ってきた。もう選択肢はない。とにかく、明日の夜までにドクダミを持っ て帰らないといかんのである。そして、とっとと出発した。迷っていると時間はどんどん過ぎてい くのである。 (6)再度、ミドリ女 カナート「私はドライアードは嫌いだ!」 ダルメ「仕方がないですよ。諦めてください。なんなら、自分から木のうろに入ってもらってもい いですよ(笑)」 カナート「き、君たち(怒)!」 DM「とか言っていると、ドクダミ畑の跡に着きました。一面に枯れたドクダミが散らばっていま す」 ブライトネス「どれどれ、ちょっと抜いて調べてみましょうか」 DM「では、知恵チェックをしてみて」 ブライトネス「(ころころ)成功!」 DM「では、枯れた植物の根が駄目になっているのがわかる」 カナート「ミミズの仕業とかじゃないよな」 ブライトネス「ドライアードの仕業?本当にドライアードですかね?ガカラーク(いわゆる巨大人 面樹)が暴れ回ったとかじゃないんですか?」 クロト「だったら足跡があると思うけど」 周囲にそれらしき足跡はない。一行は更に森の奥に進んでいく。すると、突然一行の目の前 に崖が出現した。森の地面がパックリと避けている。 カナート「なんだ、この谷間は?」 ブライトネス「森の中の沢みたいな感じですか?」 DM「いや、地面が大きく裂けているね。そして、崖にはつり橋がかかっているよ」 ブライトネス「ひょっとして、断崖絶壁ですか?」 DM「そうだね。目もくらむような絶壁です」 カナート「なんか変だから、注意して見てみよう」 DM「では、魔法使い系の人…ってカナートしかいないな。カナートは知力チェックをしてみて」 カナート「(ころころ)成功」 DM「では、そのつり橋のたもとの柱に、宝石が二個はめこんであるのが分かる」 カナート「嫌なものがあることが分かったぞ」 クロト「テレポーターかなんか?」 カナート「ともかく、崖を渡ろう。いくぞ、クライミングロープ!」 DM「使うの?では、ロープが途中で跳ね返ってしまうぞ」 カナート「なぬ?」 DM「崖の部分に見えない壁があるように思える」 ブライトネス「石とか投げてみるけれど、どうなります?」 DM「そうだね。崖の手前で石がことごとく跳ね返ります」 カナート「なんか、谷自体に魔法がかかっているっぽいな」 クロト「う〜ん、あのつり橋をわたらないと駄目っぽい。…そうだ、そのつり橋についている宝石 は外せる?」 DM「そうだね。無理をすれば外れそうだよ」 クロト「誰が外すのよ?」 ダルメ「そりゃ、もちろん言い出しっぺですな(笑)」 クロト「…ダルメ!インバルネラビリティポーション貸して!」 ダルメ「喜んで貸しましょう。飲みさえしなければいいですよ(笑)」 クロト「駄目じゃん!」 カナート「でも、ここは一番抵抗力が高い奴の出番だと思う」 クロト「ふっ…仕方がない。皆離れて。ショートソードを貸して。僕が外す!」 DM「では…」 クロト「!ちょっと待って!その宝石に何か魔法文字が彫っていない?」 DM「うん、ありますよ」 クロト「カナート、リード・マジック持ってない?」 カナート「今日は無い…いや!そうだ。前回、引っ掻き回しのデミタスから奪った呪文書があっ たぞ」 クロト「ナイス!で、なんて書いてあるの?」 DM「では、こう読める。『この宝石は幻影の谷間を作り出すものである。なお、一度設置した 後は外す時に、謎かけに答えなければならない』」 カナート「おっ!久しぶりにリドルだ!」 DM「本当に久しぶりのリドルですよ。さあ、皆で考えよう」 クロトが宝石を外そうとすると宝石から謎掛けが問い掛けられる。 @それは黒い球である Aそれは乳より水である Bそれは植物である。 我は何ぞや』 という問いが掛けられてきた。 ブライトネス「う〜ん、黒豆豆乳ですか?」 ダルメ「ふう、リドルが怒って即座にブライトネスの命を奪わなくてよかったよかった(笑)!」 ブライトネス「そ、そんなこと言われてもですなあ…マジメな話、ライチとかですかね?でも、あ れは外見が茶色ですからね」 カナート「乳より水?水っぽいってことかな?」 ダルメ「我々が知っているものですか?」 DM「知っているよ。よく目にしている。ただし、皆が目にしているのは、微妙に違っているもの とだけ言っておこう」 カナート「スイカかな?スイカはもともと真っ黒だったと聞いたことがあるし」 クロト「ヤシの実?あれも水といえば水なんだけれど、黒くない…」 こうして、様々な答えが出た。その結果は… DM「では、宝石が見事にパカッと外れて、それと同時に谷間も消え失せます。そして、君たち の前には一人の、手のひらくらいの小人がニコニコ笑っています」 カナート「誰だ(ころころ)、知力チェックに成功」 DM「それはスプライトと呼ばれる妖精です。『いや〜、大正解!スイカなんだ。スイカは黒い し、牛乳より水っぽいしね』」 カナート「ふう、無駄知識が役に立った。と、いうわけで戦利品として宝石はもらっていくぞ」 DM「いいよ。でも、せいぜい千GPにしかならないよ。それに、一度外すともう使えないからね」 ブライトネス「なるほど、単にイタズラのためにだけに作ったんですね」 DM「『え?違うよ。これはオッチャンにこうしろって言われたんだ』」 クロト「そのオッサンって?太っていた?」 DM「『うん。これを僕に渡して、誰も通さないようにって言い付けたんだ』」 ダルメ「やはり、奴の仕業でしたか。あのデービスは臭いと思っていましたよ。商人は商人で も、死の商人だったわけですな。これで、奴が●ラッド・テンプルに乗ってバスターランチャーを 撃ってきたら大変な事態に…」 DM「って、何の話(どうも●ルガイムらしい)だ(笑)」 カナート「取りあえず、黒幕は分かった!」 ブライトネス「ドクダミが枯れた原因はわかる?」 DM「『ドライアードの仕業だよ』」 ブライトネス「それはまた、どうして?」 DM「『なんか、オッチャンが、ドライアードに最近いい男をあてがったんだ。それで、ドクダミの 栄養を吸い取って、精気をつけているらしいよ』」 カナート「いい男?」 クロト「わかった…!それは!」 ダルメ「ズバリ、カナート!」 カナート「これ!」 ダルメ「いや、違いました。カートです(笑)」 ブライトネス「確か、ドライアードって、住んでいる樫の木を切り倒されると死ぬんですよね」 カナート「クロト!さっき買ったハンドアックス+3の出番です!」 クロト「え?僕がやるの?」 カナート「ならば私がファイア・ボールで!」 ブライトネス「あんた、本当にエルフですか?」 カナート「ドライアードは嫌いなんだぁ〜」 妙に御乱心になってしまったカナートを引きずりながら、彼らは森の奥をめざした。やがて少 し開けた場所に出る。そこには樫の大木がそびえていた。 (7)決戦、ミドリ女とその裏側 DM「では、皆さんの前に樫の大木があります。そこから蔓が伸びて、一人の男がグルグル巻 きになってブラ下げられています」 カナート「どんな格好?」 DM「商人っぽいよ」 カナート「え?なぜデービスが!」 クロト「いや、カートだと思うよ」 カナート「ああ、そうか。奴も商人だった」 クロト「取りあえず、木に近付いて幹を蹴飛ばす!」 DM「すると、大木の幹に女の顔が浮かび上がって『なによ?』と」 クロト「その男、離してほしいんだけど」 DM「『え〜!嫌!』」 カナート「ファイヤー!ファイヤー!」 ダルルメ「落ち着くんです、カナート!気持ちはわからんでもないですが(笑)」 クロト「じゃあ、ドクダミを枯らすのを辞めて」 DM「『それも、嫌!ドクダミの力がないと、あたしがパワー満点になれないの』」 クロト「???」 カナート「カートと、あんなことやこんなことをするために必要なんでしょう」 DM「『この男はライカンスロープだから、ドクダミパワーがないと、人間の姿にしてやれないの よ』」 ダルメ「ということは、この女はドクダミ臭を発散しているわけですな」 DM「そうだね。かなり臭いよ」 ダルメ「ふっ…所詮腐れ●●コですか…」 一同「ちょっと待て!」 腐っているのはダルメの頭の中身ではないかと思いつつも、この一言で決戦が始まった。ま あ、ここまで言われたら仕方がなかろう(笑)。 DM「目の前の大木が動き始めたぞ」 カナート「なんで?ドライアードじゃなかったのか?」 DM「彼女はドクダミパワーのおかげで、上位種のエントに変身しています」 カナート「くそう!ドクダミエントめ!」 ブライトネス「と、なると、木、自体が襲いかかってくるんですね!」 カナート「待ちにまったぞ、ファイア・ボール!」 クロト「カートは無事なの?」 カナート「カートは避けて撃つから大丈夫」 ダルメ「なるほど。そこはテクでカバーするんですね」 元が木だから火には弱い。カナートの魔法であっという間にドクダミエントは退治された。まさ に瞬殺というレベルである。 DM「では、ドクダミエントは『この男を返すから助けて!』と降伏します」 カナート「皆さん!騙されてはいけません!」 ブライトネス「いいじゃないですか。ここは個人的な恨みは捨てて、取引きしましょう」 クロト「別にカナートが捕まるわけじゃないからいいじゃないの。それに、ここでエントを殺した ら、ドクダミが完全に枯れるかもしれない」 DM「まあ、その可能性もあるね」 カナート「う〜、う〜ん、不本意ですが、そうしましょう。しかし!バッフォの村周辺でドクダミをい っぱい生やすんです。それが譲歩の条件です」 DM「ドクダミエントは『わ、わかったわ…』とうつむく」 クロト「あと、カートも返してもらうよ。そして、これ以後、バッフォの村の連中には手を出さない ように!」 DM「エントはヘロヘロで首肯きます」 カナート「ところで、カートさんと話はできますか?」 DM「しばらくするとカートは目を覚ますよ。『あれ?ここはどこだ?』」 カナート「大変です、カートさん!実はバッフォの村のドクダミの在庫が尽きてしまいました!」 DM「『え!本当ですか!それは大変だ!すぐにドクダミを持ち帰らないと』」 ブライトネス「生えている場所は知っているんですか?」 DM「『ここからもう少し奥に行けば生えていますし、私の家にも在庫が少しならあります』」 ダルメ「それはそうと、あなたの家にデービスという商人がいて、あなたの友人と名乗っている んですが、ご存じですか?」 DM「『デービス?いや、そんな人は知りませんね』」 ダルメ「やはりデービスはニュースロイトの魔術師ですね。間違いない!」 ブライトネス「こんなところにもニュースロイト軍が来るとは、侮れませんな」 ダルメ「侮ってもいいんじゃないですか。奴ら、バカですよ」 カナート「皆さん、村に帰ってデービスをとっちめますよ!」 元ドライアードのエントを片付けて、やや興奮気味のカナートを先頭にして、一同はデービス をとっちめるべく村に帰っていった。あとは簡単にカタがつくと思っていた。ところが、話はそう はいかなかったのである。 カナート「私とブライトネスはカートの家のまわりで待機します」 クロト「尋問は僕とダルメの役か。カートはどうする?」 カナート「後で一緒に踏み込めばいいでしょう」 クロト「じゃあ、カートの家に入ろう。ただいま!」 DM「じゃあ、デービスはまだいるよ。『おかえりなさい』と言われる」 クロト「今帰ったよ。ところで、もう一度商品を見せてくれない?」 DM「『いいですよ』と言って品物を見せられる」 クロト「例の変な角、まだあるの?」 DM「あるよ」 クロト「あのね、どうも僕はデービス、あんが胡散臭いと思っているんだ。商人という割には変な 品物ばかり持ってるし」 DM「『実を言うと、私は死の商人ですからね』」 ダルメ「そうやってあちこちの街で危険な品物をバラ巻いているというわけですか?」 DM「『それは、私の勝手です』」 クロト「…どうも、きっかけが掴めない…ここは一つ、品物を引っ掻き回す!」 DM「そうなの?では、その衝撃で、角から火柱が上がるけれど」 クロト「おおっ!」 DM「デービスが『何をするんだ!』と激怒します」 クロト「ええい!こうなったらこれを合図に不意打ちだ!」 カナート「踏み込みますよ!」 こうして、まさか、というタイミングで戦闘が始まった。所詮相手は魔術師。不意打ちを食らわ せればあっという間に片付けられると思っていたはずである。ところが、今回の相手は勝手が 違うのであった。 ダルメ「メイスで殴り掛かります!(ころころ)4まで当たり!」 DM「当たらないね」 カナート「当たらない?」 DM「では、デービスは身構えて君たちを向きます」 クロト「何か言うことがある?」 DM「『やれやれ。おとなしくしていれば、殺さずにいてやったものを。仕方がない。私のエサに なってもらおう』と言う。そして、その姿はだんだん二足歩行のブタの姿になり始めた」 カナート「お前、人間じゃないな!」 クロト「しまった!デビスルワインだ!嫌だ!嫌だ〜」 デビルスワインはブタのライカンスロープだが、同時にライカンスロープの親玉である。ACは 2。HPは9HDもあり、ダメージはなんと2D6!そして一日に3回チャーム・パーソンも使えると んでもない強敵である。 DM「一応、彼の計画について説明します。まず、彼は〈ブタのデービス〉と言って、ニュースロイ ト軍の手先です」 クロト「とうとう、人外のものを駆り出してきたとは!」 カナート「もうちょっといい名前を考えろ!」 DM「彼にはライカンスロープを操る力があってね。それで、バッフォの村の人たちを、全員完 全なライカンスロープにして操り、それでノルキスタンに攻め込む作戦だったらしい」 カナート「くそう!ニースロイトも隠し球を出してきたか!しかも、バカなのは変わりないが、実 力もバカみたいに高いとは!」 DM「『死の商人ってのは、相手に死を押し売りする意味もあるんだぜ』」 ダルメ「相手の実力をあまりにも甘く見ていました…ガタガタ…」 ブライトネス「弓を打つくらいしか私にはできませ〜ん」 カナート「もう、総力戦だ!行くぞ!」 相手を、思想的にだけでなく、実力的にもナメきっていた彼らにとっては厳しい戦闘になっ た。ブタのデービスはチャーム・パーソンを飛ばし、クロトを魅了。そして、クロトを操り、カナー トに攻撃をさせる。 クロト「(ころころ)!なんでこんな時に17が!」 カナート「あ〜、もうミラーイメージがなくなったぁ!ヤバイヤバイ!」 ブライトネス「早く倒さないと…」 最強のライカンスロープとの死闘は続く。今までは単なる魔術師と思ってナメきっていたが、 今回は全く勝手が違う。HPは高いし、ACは低い。しかし、地道な攻撃が功を奏し、最後は意 外なところで… ブライトネス「焼け石に水かもしれませんが射撃!(ころころ)当たって4点!」 DM「あ、では、ブライトネスの矢が深々と刺さり、デービスは血の海に崩れ落ちる」 ブライトネス「え?今のがトドメだったんですか?」 一同「やったぁ!」 カナート「クロトを押さえます。うっかり、デービスの後を追われたりしたらたまらんです」 クロト「こんなブタの後を追いたくない!それより金!金を探すんだよ!」 戦闘で、デービスの持っていた宝物は壊れてしまったが、支払ったお金は丸々帰ってきた。 ホクホク顔の彼ら。ちなみに、デービスの持っていた角はブラスティング・ホーンと言って、使う と角笛の前に立つものに大ダメージを与える品物だった。残念ながら壊れてしまったが、デー ビスに使われなかっただけでも是とするべきだろう。 DM「では、カートが持ってきたドクダミが煎じられて、村人にふるわれます」 ブライトネス「なんとか、時間までに間に合ってよかった」 DM「ネレイド君が『おかげさまで、僕もセネカのいる村にいけますよ』と言う」 ダルメ「命懸けの恋、って奴ですね」 カナート「大丈夫。愛があれば」 DM「『ドクダミをきちんと飲んでいれば大丈夫ですから。いつか高名な僧侶が現われて治してく れるまで希望を捨てません』」 ダルメ「まあ、私が11LVになるまで待っていなさい」 DM「そしてハタカーンは11LVが最高レベルなんだよね(笑)」 ダルメ「おや(笑)。これではなかなかボッたくれません(笑)」 一段落して、余裕のある彼らには和やかな雰囲気が漂う。ネレイドの家で一泊させてもらい、 翌日彼らはハムリの村に帰ることにした。ついでにネレイドも引き付れて、彼らは意気揚揚と 凱旋する。途中にワーボアにエンカウントするという不思議な一幕もあったが… ネレイド「あれは知らない顔です。僕らの仲間じゃないです」 カナート「狩れ!」 クロト「やっちまえ!」 という風に、実に勢いだけでことが進んだというわけなのでした(笑)。 (8)恋は結末、戦は続く DM「では、無事にハムリの村に着きました」 カナート「そうそう、ネレイド君。君はいったいなんのライカンスロープになってしまうんですか」 DM「『僕のはワーバット病です』」 ブライトネス「ぬ、ぬおぅ!怪奇蝙蝠男!」 カナート「家帰ったら、旦那が天井からブラ下がっていたら、嫁さん嫌だろうなぁ(笑)」 ダルメ「しかし、今回は実入りが多かったです」 ブライトネス「私はたいしてなかったんですが」 クロト「じゃあ、僕のショートソード+1をやろう」 ブライトネス「そういうのは実入りとはいわないと思うんですが」 ダルメ「それなら、私の持っているファイア・レジスタンスリングをあげましょう。これなら、万が 一の時でも安心です」 ブライトネス「それならいいかも」 DM「とか言っていると、村の奥からセネカさんがネレイド君に走り寄ってきます」 カナート「このために用意した紙吹雪を振り撒きましょう」 DM「セネカさんがネレイド君の所に飛び込んできます」 一同「おお」 DM「後はお決まりの再会劇です。あまりにクサいてので、ちょっと演技できませんが」 カナート「十分ドクダミは臭かった(笑)」 ダルメ「せめて、落ちている木の枝をスティック・トゥ・スネークでヘビに変えて祝福しましょうか (笑)」 クロト「悪魔か、君(笑)」 DM「セネカさんが『ありがとうございました』と頭を下げます」 カナート「しかし、セネカさんはネレイド君の事情を知っているのかな?」 DM「実はセネカさんはまだ知らない。でも、ネレイドが『僕の口からちゃんと話しますよ』と言っ ています」 カナート「じゃあ、後は本人たちに任せますかな」 ブライトネス「何はともあれ、一件落着ですよ」 ダルメ「じやあ、指輪を村長から貰いましょう」 DM「君たちが騒いでいるとラドウィックさんがやってきます。『ありがとう。どうやら丸く納まった らしいな。君たちには感謝してもしたりない』」 カナート「あとは本人たちの問題ですよ。そして、これを機会に、わがノルキスタンと交流も結ん でください」 DM「『それはどういう村かね』」 カナート「我々のような虐げられたデミヒューマンの国です。人間の圧政に立ち向かうために戦 っているんですよ」 クロト「はぐれものの集まりというのか、運命共同体というか」 ダルメ「あのインチキ総統のことは200%くらい美化して話さないと(笑)」 DM「『そうか、そんな素晴らしい村があったのか(笑)。では、その村の君たちには頑張っても らわないとな』と言われます。そして、村長は指輪を六つ渡してくれます」 カナート「六つ?」 ダルメ「誰かを連れていけってこと?ベルンシュトルフ将軍でも連れていきますか?」 DM「実を言いますと、次のノース・コースト攻略作戦で、この『デミヒューマン作戦指令書』第一 部が完結する予定です。それで、次は出来るかぎりのメンバーに参加してもらおうと思っていま す。だから、指輪は余分に二個あるんだ」 カナート「なるほど。次がいよいよか」 DM「取りあえず、キラークの参加は確定しています。本当はマスードとかジャアにも参加して 欲しいところなんだけれど、皆都合があるからねぇ」 ブライトネス「なるほど。次は一丸となって作戦決行ですね」 DM「と、いうわけで、今回の作戦も無事に終わりました。次はいよいよ。ノース・コースト攻略 作戦です。期待してください。それでは!」 (続く) |