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キラーク |
ジャア |
クロト |
ブライトネス
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種族:ドワーフ |
種族:エルフ |
種族:ハーフリング
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種族:コボルド
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HP:28 AC:1
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HP:17 AC:2
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HP:30 AC:1
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HP:10 AC:5
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(1)召集令状の発令
DM「では、デミヒューマンキャンペーンを始めます。今回はまたメンバーが変わっているから
ね」 クロト「エルフが居るのは一緒だけれど」 ジャア「ど〜も、エルフのジャア・ターキーです」 DM「(イラストを見て)な、なんだ、その変な帽子は」 ジャア「赤と白のストライプの帽子がトレードマークです」 DM「さてはその帽子のせいで国を追放されたのか(笑)?」 ジャア「そ、そうなのか?」 DM「だって、君たちの居る国ノルキスタンは、ノールやコボルドなどの、人間から虐げられてい
るデミヒューマンを中心とした国だよ」 キラーク「ならば、ドワーフの私は?」 DM「ああ、ドワーフは人間から虐げられているから問題ないでしょう」
クロト「それはDMの偏見と趣味じゃない?」 キラーク「なんということだ!この、由緒あるカビ家の一員に対して!」
DM「黴?」 キラーク「違う。カビだ。ドワーフの国では由緒あるカビ家の末弟なのだ」
ここで全員、某ロボットアニメの事を思い出して笑いが止まらなくなる。
キラーク「人間の連邦はドワーフに対して反感を抱いている!」 DM「おいおい…」 ブライトネス「あ、私、ブライトネスです。コボルドでシャーマンをやっています。このパーティーに
回復役として配属されているわけです」 ジャア「ブライトレス?ブライトがいない」 DM「違うって(笑)」 クロト「あ、僕、クロト。野良ハーフリングだ。したがってシャイア名もありません」
DM「ま、そんなヘンテコな君たちがノルキスタンに居るわけだ。このノルキスタンの首都ケガワ
ントに君たちは揃っているわけだ。この、ノルキスタンの総統はレザー・ハーンというノールで
す。その総統の前に君たちは揃っています」 クロト「何かあったの、オヤジ?」 ブライトネス「オヤジ?」 クロト「僕は総統に拾われたからね。総統のことをそう呼んでいるわけ。でも、このオヤジ、とき
どきトチ狂ったことを言うからね(苦笑)」 DM「このレザー・ハーンは頭にターバンを巻いたノールです。結構高いレベルのシャーマン
で、狂気の神ラニヴォラスの信者です。まあ、それはともかく、君たちが揃うと総統は『よくぞ集
まってくれた、我が精鋭たちよ!』と」 ブライトネス「ふふ、今回も頑張りますぜ〜」 ジャア「わ、我々は精鋭だったのか〜」 クロト「そして、オヤジ、今回はボク達に何を押しつける気なのよ?」
DM「『うむ、話が早い。実は、緊急に食料が足りないのだ』」
ブライトネス「あれ、ノルキスタンには特産のモヤシがあるんじゃなかったですか?」
DM「『うむ、確かにモヤシはある。しかしモヤシは種ができんのでな。どんどん種子が減って、
このままではモヤシが作れなくなってきたのだ』」
一同(爆笑) キラーク「なら、急いで種を手に入れてこなければ」 DM「『うむ、このままでは我が軍特産のモヤシができなくなる』」 キラーク「他には食料はないのか?」 DM「ないね。ノルキスタンは土地が痩せていて、ロクな作物ができないんだ。しかも今、隣接
する人間の国、ニュースロイトとは交戦状態にあって食料の輸入もできないんだ」
ジャア「森林もないのか?」 DM「森林はあるけれど、全部針葉樹林だから意味がないよ。そして今は冬で果樹も見当らな
い」 キラーク「魚を釣ることは駄目か?」 DM「このノルキスタンの周囲は切り立った崖で、海へは断崖絶壁を降りないと駄目なのよ」
キラーク「なんと劣悪な環境だ!」 DM「港があるのは、この島の南部の、人間の勢力圏だけだね」 キラーク「どうしようもないな」 DM「『と、いうわけで、急いで君たちにはモヤシの材料となる種の買い付けに行ってもらいた
い』」 キラーク「それが本題か」 クロト「オヤジ、でも、人間と交戦しているのに買える場所があるの?」
DM「『うむ、ここから東の海の彼方には、人間の町スロイト市がある。しかし、君たちが人間の
町に行って買い付けるのは難しい』」 クロト「そう?比較的まともなジャアに行ってもらえばいいんじゃないの(笑)」
ジャア「わ、わたしはマトモだったのか〜」 DM「全然マトモに見えないって(笑)。ま、どう考えても君たちが人間の町に普通に行ったら怪
しまれるからね。『そこで、君たちにしてもらうのは密輸だ!』と総統」
ジャア「密輸…いい響きだ!(笑)」 DM「『このノルキスタンとマハロマ市の間の海にバンブー島という小島がある。ここは貿易の
中継地点で、金さえ出せば食料を得ることができるのだ』」
ブライトネス「しかし、総統。我々はそこまでどうやって行くのですか?周囲が絶壁なら舟を出せ
ないじゃないですか」 DM「『取りあえず、君たちに二千gpの宝石を渡そう。これで買い付けをしてくれ。そしてな…』
と言って総統は手近にあったカーテンをめくる。すると、そこには氷で出来た舟がある。『これ
が我がノルキスタンの誇る氷上舟だ!』」 クロト「こら!ドロブネとかわんないっ!」 DM「『大丈夫だ。氷とはいえ、魔法がかかっているから強度は鉄と大差ない。しかし…』」
ブライトネス「熱には弱いんですな」 DM「そういうこと。間違って熱い海域に出てしまったら、君たちの身の安全は保障できないと
いうわけだ」 キラーク「冷やしている間は大丈夫か」 DM「なんでも熱が加わると、強度がバルサ材並みになるとか」 キラーク「スカスカになってしまうな」 DM「だから、舟が柔らかくなってきてきたら、すぐに寒い地域に脱出しないといけないそうだ」
キラーク「舟の上では暖が取れないわけだな」 ジャア「こんな舟では太陽の熱もまずいかもしれない。ダークネスの魔法をかけて、太陽光を遮
断するのも舟を守るためにはいいかもな」 ブライトネス「でも、それでは我々は舟が漕げないし、辺りが見えません」
ジャア「この場合、それが問題だな(笑)」 クロト「そこまで心配しなくてもいいんじゃない?」 ジャア「南に行ったらマズイぞ」 クロト「海流!オヤジ!海流はどうなっているの?」 DM「海流は、ノルキスタンから島に向かって南に流れている」 キラーク「海流に乗ったら早く着きそうだな」 DM「まあ、普通はそうなんだけれど、この舟は魔法の舟だから、風や海流とは関係なしに航
行できるのよ。勝手に進行方向に進んでくれるよ。だいたい二日でバンブー島に着くそうだ」
キラーク「…しかし、命懸けの作業だ。我々がいなくなったら誰が食料を調達してくるんだろう
か」 DM「決まっているさ。君たちのように、総統の近くに居た連中だよ(笑)」
キラーク「(苦笑)実に危険だ。バンブー島についても、舟が無事であるとは限らないし。無事に
我々は帰れるのか?」 ジャア「なに、その時は向こうの島にある船舶を強奪すればいい!」 キラーク「強奪した舟が奴隷船だったら困るな」 一同(爆笑) クロト「ところで、どうやって海に漕ぎだすの?」 DM「そりゃ、断崖絶壁を降りてに決まってる」 クロト「じゃあ、この舟をどうやって持って行くのよ?」 DM「ああ、この舟はパンパンと柏手を打つと大きくなったり小さくなったりする機能がついてい
るよ。魔法の舟だからね」 ジャア「小さくなった時、袋に詰めて持ち運ぶことはできるわけだな?」
DM「できます。でも、袋に詰めて持ち運んでいる時に、うっかりストーブとかで暖を取ると大惨
事になります」 ブライトネス「帰れない〜ってことになるわけですね」 キラーク「確認しておくけれど、舟を大きくしたり小さくしたりする回数に制限はないんだな?」
DM「ないよ」 キラーク「よかった。遊びすぎて舟が壊れたらどうしようと思った(笑)」
一同(爆笑) キラーク「ならば一安心。それで、総統。海に降りるルートは確保できているか?」
DM「このケガワントのすぐ傍の断崖から海に降りろといわれるぞ。ロープを降ろして海に降り
立てばいいそうだ」 ブライトネス「じゃあ、崖を降りる時に舟は小さくして持っていけばよいですね」
キラーク「しかし、我々はいったい何の腕利きなんだ?買い出しの腕利きなのか?冒険の腕利
きなのか?」 ジャア「きっとロッククライミングの腕利きだ(笑)」 ブライトネス「総統、レビテーションのスクロールとかないですか?」
DM「無い!だって総統はシャーマンだもの」 ジャア「その崖の高さはどの位なんだろう?」 DM「20メートルくらいらしいよ」 キラーク「ロープ一本では足りないな」 ブライトネス「縄梯子でも作りましょうか?」 ジャア「そうだな。安全のために、皆で縄梯子をつくろうか。ロープとか資財は提供してもらえる
のだろう?」 DM「さすがにそういうものは全部揃っているし、提供してもらえるよ」
ジャア「なら、皆で縄梯子作りだ」
こうして、皆が集まって縄梯子作りに精を出す。材料も揃っているので、さして苦労せずに梯
子を造ることができた。
(2)密輸部隊出動
キラーク「縄梯子を固定するためのくさびを要求する。コの字型でハシゴが固定できる奴だ」
ジャア「なにはともあれ、ハシゴを降ろす場所はしっかり確保しておかないとな。」
クロト「ハシゴを設置した場所に変なモンスターが出ないといいけれど(苦笑)」
DM「おお、そうそう。君たちの舟は氷製だから、ウォーター・ターマイト(水白アリ。舟を食べて
しまう)の襲撃は無意味だよ」 クロト「それだけじゃん」 ブライトネス「ビホルダーとか出てきたら嫌ですよ」 DM「あるDMの話なんだけれどね。ダンジョンのまだ完成していない場所へパーティーが行こ
うとすると、突然ビホルダーが出現するんだ。『ここから先へは行かせない!』と言ってね。行
かせない、じゃなくて、行けない、の間違いだよな」
一同(爆笑) ジャア「そうやって行かせないようにしているわけか(笑)」 DM「まあ、そんなワケのわからんことは僕はしないから」 クロト「されてたまりますかい」 ジャア「よし、準備が出来たらとっとと出発だ。さもないとオレたちの食料もなくなるぞ」
キラーク「総統、このまま出発すると我々は寒い。舟の上での寒さを防ぐものはないか?」
DM「ああ、アイスウルフという寒冷地に住む狼の毛皮を貸与してもらえるよ。ただし、この毛皮
を着ている時はACはレザーアーマー並みになるよ」
ブライトネス「じゃあ、着込もう」 クロト「お前はいらないよ(笑)!」 キラーク「元々毛皮だからな(笑)。ところで、総統、コンパスはあるか?」
DM「『コンパスはあるが、貴重品だ。大事に扱ってくれ』」
キラーク「でも、貸してはもらえるんだな」 DM「取りあえずはね。ノルキスタンではコンパスは貴重だよ。冬の間は滅多に太陽が射さない
からね。方向を知るにはコンパスに頼るしかないんだ」
ジャア「羅針盤と縄梯子と防寒毛皮が借り物か。これは無くさないようにしないと」
DM「『それもそうだが、君たちの生命を無くさないようにしてくれよ』」
ブライトネス「作戦名は『生命を大事に』!ですな」
ジャア「じゃあ、出発しよう。このまま海に乗り出そうか」
キラーク「しかし、その前には崖を降りて、海に降りねばならんのだ」
クロト「さっそく、縄梯子を使うよ」 ブライトネス「楔で打ち込んで固定します」
こうして、素早い連携プレイによって崖に縄梯子が固定された。素早く縄梯子で海面に降りる
一行。
DM「では、皆は海岸に降り立った。季節は冬で、海岸近くの海面は凍結しているね。ま、君た
ちの舟は魔法の舟だから、氷の上も滑って走ってくれるよ」
キラーク「それは便利だ。しかし、DM、その舟は、置いたらすぐに走りだすのか?」
DM「いや、荷物が乗ったら走りだす。感知式だね」
キラーク「走りだしたら陸地にブツかるまで止まらないなどということはあるまいな?」
DM「その点もしめたもの。陸地に着くと自動的にストップするよ。もっともそれまでは止まらな
いけれどね」 ブライトネス「ふう、一安心」 ジャア「皆のもの!舟の上では手拍子はするなよ。舟が小さくなって、我々は海の藻屑だ」
ブライトネス「おお!そういうことも」 ジャア「では、舟を袋から取り出して元の大きさに戻そう。舟の舳先を島の方へ向けて方向セッ
トだ」 DM「そういうのは、羅針盤を持つ奴の知恵で判定してもらおう」 クロト「おい、ブライトネス」 ブライトネス「はれ?私?」 クロト「お前がしないで誰がやるってのよ?」 ブライトネス「ふふふ、では、この知恵16にかけて!我がイモータル、シャイニング・ワンの加
護を!」 DM「(ころころ、成功)では、ブライトネスの知恵によって、島の方向に舳先が向けられたと思
う」 ジャア「これで南の方へ行ってしまったら、舟が溶けてドボンだ。まあ、他の連中が我々をサル
ベージをするという楽しみが出来るかも(笑)」
キラーク「総統が『あの辺に沈んだ連中を救ってこい』という命令を下すわけか」
ブライトネス「皆さ〜ん、悲しい話題は止めましょうよ〜」
妙に悲観的になった皆。ブライトネスの鳴き付きでこの話題は強引に打ち切られる。まあ、悪
い想像をしていると、それが真実になるのは
キラーク「さて、我々は何事もなくバンブー島に着いたわけだな」 DM「なんでだ!ちゃんとエンカウントチェックするわい」 クロト「え〜」 DM「まず、航海初日午前。(ころころ)うん、何も起きなかった。午後(ころころ)。やはり何も起
きない。と、いうわけで日が暮れました食料を一日減らしてください」
ブライトネス「ほっ、よかった〜」 ジャア「舟の荷物が軽くなった」 キラーク「舟は夜も進んでいるわけか?」 DM「そうだね。でも、君たちは休まないといけないから、交替で見張りをしないといけないよ」
クロト「僕だけ休んだら駄目?」 キラーク「駄目だ」 クロト「だって僕だけインフラ持っていないんだぞ」 キラーク「交替で寝ろ!」
こうしてクロトのわがままも、カビ家の御曹司ドワーフの一喝によって退けられる。こうして交
替で見張ることになった。
DM「では、キラークの番だ(ころころ、おっ潮流の変化だ)。キラークは毒の欄でST判定してく
れ」 キラーク「(ころころ)成功した」 DM「では、キラークは軽く船酔いになった」 キラーク「それだけか?」 DM「そう、それだけ。だって潮流が変化しただけだもん」 キラーク「なぬ?それはいかん。コンパスを見なおすぞ」
しかし舟の進路にはさして影響はなかった。朝になり、一行はまた航海を続ける。
DM「では、二日目の午後。(ころころ)あ、何か出たよ」
キラーク「DM、嬉しそうだな」 DM「そりゃあ、嬉しいよ。(ころころ)おっ、とんでもないものが出たね。では、モンスター判定で
きる人はチェックをして」 ジャア「俺か!(ころころ)うむ、成功」 DM「では、君たちの進行方向に竜巻があらわれた。竜巻の中には巨大な人影が見える。あ
れはストーム・ジャイアントが作り出した竜巻だ」
ブライトネス「オー!ノー!」 クロト「回避回避!」 ジャア「左舷に回頭!60度!」 キラーク「180度ではなく?」 ジャア「それでは帰ってしまう(苦笑)。60度ずつ回頭して迂回だ!それで良いな、キラーク」
キラーク「甘いぞ、ジャア!」 ブライトネス「何が甘いんですか?」 キラーク「いや、言ってみただけだ」 一同(爆笑)
こうして、緊張の中にも笑いを確保しながら、ストーム・ジャイアントを避けて一行はバンブー
島を目指す。回避後はすぐに羅針盤を見てルートを修正する一行。そして二日目の夜も暮れ、
何事もなく終わって朝になった。
DM「(ころころ)あ、天候が変わった。明け方と共に舟はブリザードに包まれたぞ。呪文のST
判定をしてくれ」 ジャア「失敗」 他の人「成功」 DM「では、失敗した人は一点のダメージを食らってくれ。そして、君たちは舟が止まっているこ
とに気が付くよ」 ジャア「止まったということは陸地に着いたのだな」 DM「いつのまにか陸地についているね」 ブライトネス「舟を港につながないとだめですね」 ジャア「いや、小さくして持っていくべきだろう。舟を港に停めておいて盗まれたらいけない」
キラーク「しかし、舟を持っていって、溶けてしまうのもいかん。どうするんだ。商人に『まあま
あ、じっくりと暖まっていきなさい』とか進められたら」
一同(笑) クロト「雪女みたいな舟だからね」 ブライトネス「話は変わるけれど、港の様子は?」 DM「小さな岸壁のような所だよ。港には小さな倉庫のようなものが二つ建っている」
ブライトネス「あっちに行ってみましょう」 ジャア「取りあえず舟は持っていこう。舟を小さくして水袋に詰め、溶けないように氷も詰めてお
けぱオッケーだろう」 キラーク「皆の者!町中では拍手は厳禁だぞ(笑)」 ジャア「そうだな。町中で誰かが手を叩く可能性もあるな」 クロト「誰か留守番して舟を見張ったら」 ブライトネス「私が留守番しますよ。私はあまり町中には入りたくないですから。ところで、周囲
には人影とか見えます?」 DM「あ、今言おうと思ったんだけれど、倉庫の前には焚火があって、その周りに守衛のような
人影が二人見えるよ」 ジャア「取りあえず舟を袋に詰めて、ブライトネスに留守番しておいてもらおう。町中には舟は
持ち込まないことにしよう」 クロト「僕も、それがいいと思う。ブライトネスはいなくても交渉はできそうだけれど、カビ家の御
曹司には来てもらわないと交渉ができない。なんてったって魅力がすごい(14もある!)」
こうして舟の見張りにブライトネスを残し、三匹は港へと上陸する。
(3)竹の島へ上陸
キラーク「取りあえず守衛に、我々の目的を話そうか」 クロト「共通語で話し掛けてみるか。ハロー」 DM「では向こうも『ヘロー』と、デミヒューマン訛りのある共通語で話し掛けてくる」
クロト「彼らは人間?」 DM「人間だよ」 クロト「ケガワントから豆の買い付けに来たんだけれど、取り次いでもらえる?」
DM「『豆の買い付け?あちゃ〜、また運の悪いときに来たなぁ』」
クロト「な、なぬ?」 ジャア「なぜだ!」 DM「『今、豆類は全然ないんだ』」 クロト「誰か小豆相場で失敗でもしたの?」 ジャア「食料もないのか?」 DM「『わずかにオカラが残っているだけだ』」 キラーク「なんだね、それは?我々に売るものはないということか?」
DM「『違うんだ、聞いてくれ。この前唐突に現われたサイクロプスに、一切合財持っていかれ
てしまったんだ』」 ジャア「サイクロプスぅ!」 キラーク「サイクロプスは豆が好きなのか」 DM「『いや、鬼だから、どちらかといえば嫌いだと思うぞ』」 クロト「サイクロプスなんか、どう考えても勝てそうにないし、交渉の余地もなさそうだ」
ジャア「我々はサイクロプスについてどれだけ知っている?」
DM「名前だけで判定するなら知力にマイナス5して判定して」
ジャア「(ころころ)う〜ん、わからん」 DM「では、巨人の一種というくらいしかわからない」 ジャア「強いんだろうなぁ、きっと(苦笑)。誰か詳しい奴はいないか」
キラーク「おい、守衛。誰かサイクロプスについて詳しい奴はいないのか」
DM「『なに、お前たち、サイクロプスをなんとかしてくれるのか』」
クロト「なんとかするもなにも、まずは情報が欲しいよ」
DM「『う〜ん、サイクロプスについてはうちの親方が詳しいんだけれどね。どうかね、親方に会
ってはくれないかね?』」 クロト「取りあえず、会わせてよ。会ってみないとなんとも言えない」
ジャア「我々だけではなんともできないからな!そんなでっかい巨人相手には」
クロト「領主の名前は?」 DM「『ノッテンガムさんだ』」 クロト「大陸のスロイト市にサイクロプス退治を頼めないの?」 DM「『できないよ。この島は密輸で食っている治外法権の土地だからね。大陸の介入なんかさ
せるわけにはいかない。大陸に頼んだら、すぐに軍隊を送り込まれて占領されてしまう』」
ジャア「手持ちの人数だけでなんとかしないといかんわけか。手持ちの人数は何人だ?」
DM「『今は大陸の船舶も入ってこないからな。全部で五十人程度だろうな』」
クロト「それだけ?」 ジャア「ちなみに戦闘員は何人だ?」 DM「『ノッテンガムさんと、オレ達守衛が全部で四人だな』」 ジャア「それと我々で全部で八人!…駄目だ…」 キラーク「守衛たちも役に立ちそうにないな」 ジャア「なに、いざという時の盾代わりにくらいにはなるだろ」 DM「さて、そんな事を言っていると君たちは領主の邸宅に通されます。このバンブー島の領主
宅は東西に一つずつ、それにあわせて港も二つあります。東側の邸宅と港は、大陸から来る
まっとうな商人用。西側の港と邸宅が、いわゆる裏口って奴です」
ジャア「ブライトネスも連れて来たほうがいいいんでないか?」
ブライトネス「私は待ってていてもいいですけれど」
ジャア「いや、舟を持って来ておいてくれれば、いざというときに脱兎のごとく逃げ出せる(笑)」
ブライトネス「じゃあ、舟を小さくして持ってきますよ」
ジャア「領主が不穏な動きを見せたら逃げるぞ。と、アイコンタクトで合図するぞ」
クロト「なに、やってんの?」 キラーク「ははは、そんなにキョロキョロして。ジャアは食いしん坊だな(笑)」
ジャア「違うって(笑)」 DM「さて、しばらくすると、執務机の後の扉が開いて、領主が息を切らせてやってきます。『や
あ、待たせてゴメン。向こうの屋敷から走ってきたものだから』とノッテンガムさん。さっきも言っ
たけれど、この反対側には同じような屋敷があるのです」
キラーク「領主殿、我々は豆が欲しいんだが」 DM「『残念だが、豆はサイクロプスに取られてしまった』」 クロト「サイクロプスとは?」 DM「『身長5メートルほどの一つ目の巨人だ』」 ブライトネス「取られた豆なんですけれど、どの位取られたんですか?」
DM「『俵で二千。金額に直すと二十万gpだ』」
ジャア「と、いうことは、なんとかすれば分け前が無料で…」
クロト「ノッテンガムさん、我々が豆を取り返したら、幾らか豆の分け前をもらえますか?」
DM「『もちろんだ!なんとしても豆は取り返さねばならない。これは人間達、ニュースロイト軍
の差し金に違いない!我々の交易を邪魔して、このバンブー島を経済的に抹殺しようとしてい
るのだ。こんな不当な圧力には屈してならん!』」
ブライトネス「サイクロプスって人間の言うことを聞くんですか?」
DM「『知能は低いから簡単だな。あまりむつかしい命令を与えることは無理だが』」
キラーク「サイクロプスが豆を持っていったのは確かか?」
DM「『一つ目の巨人が豆俵を担いで歩いていったという報告がある』」
キラーク「これは、確定だな。サイクロプスはどこに行った?」
DM「『この島はバンブー島という名の通り、南半分が竹林になっている。その竹林の中に逃げ
込んだはずだ』」 キラーク「サイクロプスの弱点はないのか?」 DM「豆だね。まあ、具体的に言えば、ブツけると力が半減するらしい」
ブライトネス「しかし、豆は残っていない、と。食料用の豆は残っていないんですか?」
DM「瓶詰の煮豆やオカラならあるそうだ(笑)。もちろん、そんなものが効くわけもない。ただ、
食料にはなるから分けてはもらえるよ。一人当たり三日分くらいしかないけれどね」
クロト「十分!もらいやしょう!」 キラーク「そうだ!この島に何か不審な人物が来たということはなかったかな?」
DM「『一人いるぞ。ニュースロイト軍のサンダースという男だ』」
キラーク「露骨に黒幕の第一候補だな(苦笑)」
ジャア「そいつの階級は軍曹か?(笑)」 クロト「軍曹程度の下っぱならいいけれど、これが大佐とかだったら困る」
DM「ちなみにニュースロイト軍のほとんどはマジツクユーザーです。『そのサンダースが密輸を
止めろと我々に言った。もちろん、我々は拒絶した。ひどく立腹して帰っていったな』」
キラーク「その男はいまどこに?」 DM「さあな。ニュースロイトに帰っていったんじゃないのか」 キラーク「その男が何をしていたか、どんな奴だったか情報を集める必要があるな」
ジャア「情報を集めるにしても、我々が人間の町に出てもいいのか?」
DM「出ても大丈夫らしいよ。人間側の町には宿屋と酒場があるんだけれど、豆の在庫が今こ
の島にないので、島の人間以外は寄港していないから。島の人たちはデミヒューマンにも抵抗
がないしね」 ジャア「サイクロプスが竹林のどの辺に逃げ込んだかも聞き込まないと駄目だな」
クロト「ところで今の時間は?」 DM「朝に島についたから、昼くらいだよ」 ジャア「酒場に行くにはいい時間だな。あ、そうだ。我々は防寒着の毛皮を着ているんだった
な。この毛皮は脱いだ方がいいかな?」 DM「脱いでもいいけれど、島は寒いよ」 ジャア「なら、この格好でいくしかないか。怪しい奴らがゾロゾロと」
クロト「密輸に来ている事態で十分怪しいよ(笑)」
ブライトネス「私は念のためにここで留守番していますよ」
こうして一行はバンブー島の東側へ出た。東側は少し大きな港湾施設になっていて、宿屋に
酒場、埠頭には倉庫も設置してある。
(4)鬼のような魔術師?
DM「酒場の名前は【雨後のタケノコ亭】という名前です」
キラーク「我々も破竹の勢いといこう」 クロト「では、ガランガランとベルを鳴らして酒場に入場」 DM「酒場に入る?入ると中ではカウンターでマスターが暇そうにしています」
クロト「開いている?」 DM「マスターが『空いているよ。この通り』」 クロト「酒が欲しいな」 DM「では、豆焼酎が出てくる(笑)」 ジャア「マスター、どうしてこの宿屋はこんなに暇なのだ?それに見た所、舟が一隻も港に見当
らなかったが」 DM「『ああ、この島は豆の集積地なんだが、豆の在庫が皆サイクロプスに持ち去られてしまっ
てな』」 ジャア「買い付けにくるような奴がこなくなってしまったわけだな」 DM「『しかも、この前の収穫期の時に、手持ちの資金を皆買い付けに使ってしまったから新規
買取もできない』」 ジャア「その、サイクロプスって奴が来るようになった理由とかはないか?」
DM「『これはオレの独断と偏見なんだが、多分これはニュースロイトの魔術師、サンダースの
仕業だぜ』」 クロト「その独断と偏見はきっと正解だと思うよ(笑)」 ジャア「そのサンダースって奴はどんな魔術師だ?」 DM「『別名、鬼のサンダースと呼ばれる腕利きの魔術師らしい。バケモノに関する魔法が得意
だって話だ』」 ジャア「そんな奴には会いたくねぇなあ…」 DM「『そいつがやってきて、ノッテンガムさんに対して密輸を止めるように宣告したんだ。もち
ろんノッテンガムさんが聞くわけがない。なもんで、ひどく立腹して帰っていったな』」
キラーク「本当に帰っていったのか?」 DM「『と、思うがな』」 キラーク「この店にはウェイトレスくらい居るよな?」 DM「いるよ」 キラーク「なら、聞いてみるか。サンダースという奴はどんな感じだった?」
DM「『フードを被った不気味な人で、氷水をチビチビと飲んでいたわ』と言う」
クロト「幽霊?人間じゃないかも。だいたい、サイクロプスを操れるような魔術師だから、とても
ボクたちが太刀打ちできるような相手じゃなさそうだ。ひょっとしたら、奴がサイクロプスの本体
なのかもしれないけれど」 キラーク「サンダースについて、他に知っているような人はいませんかね。ここの常連メンバー
とか」 DM「『今は舟が入港していないからね。君たちが必要とするような連中はいないよ』」
キラーク「では、マスターに聞こう。サイクロプスは普段はどこに住んでいたのか?竹薮が好き
とかの習性はあるのか?」 DM「『いや、そもそもこの島にはサイクロプスなんか住んでいなかったから、よくわからん。突
然奴が現われたからな』」 ジャア「サイクロプスは頭が悪いんだよな…ひょっとしたらサンダース自身がサイクロプスに化
けているのかも」 クロト「魔法で作り出されたサイクロプスだったらどうしようもないけれどね」
キラーク「それはもっと嫌だな」 クロト「サンダースが作り出したサイクロプス・ゴーレムかもしれないよ(苦笑)」
キラーク「もし、そのサイクロプスがサンダースが化けたものだとしよう。すると奴は竹薮の中で
豆を食って暮らしているのか?」 ジャア「キラーク、相手は鬼のサンダース軍曹だ。サバイバルなどお手のものだ」
ブライトネス「あのですねぇ、ちょっと意見があるんですけれど、合流してもいいですか?」
ここで、一行にブライトネスが合流してきた。もちろんプレイヤーはその場にいたが、キャラク
ターとしてはいなかった。何が意見が言いたくてウズウズしていたのだろう(笑)。そしてこの意
見が、パーティーの行動に弾みを付けることとなる。
ブライトネス「私としては思うんですけれど、その豆が盗まれた様子が気になるので、竹薮に行
く前に、倉庫を見てみたいんですが」 DM「では、埠頭の前に二棟ある穀物倉庫に着いた」 ブライトネス「守衛に話を聞きます。いったい、どうやって穀物は盗まれたんですか?」
DM「『それが不思議なんだ。オレたちはきちんと見張っていた。それなのに盗まれちまったん
だ』」 ブライトネス「クンクンと臭いを嗅いでみますが、痕跡とかないですか?」
DM「よくわからないね」 ブライトネス「足跡とか残っていますか?」 DM「(ころころ、失敗)いや、特に見当らないよ」 クロト「これって、実はサイクロプスは居ないんじゃないの?ファンタズマル・フォースで幻影を
作り出してサイクロプスに見せ、フローティング・ディスクの呪文で豆を運びだしたんじゃない
(←超鋭い)」 キラーク「ここはディティクト・マジックを使ってみてはどうだ?」 ジャア「でぃてぃくと・まじっく〜」 クロト「うわ〜、やる気無い(笑)」 DM「呪文を掛けるの?すると、倉庫の一角に、サイクロプスの形をしたホログラフィが現われ
て、倉庫の壁をすり抜けて外に出ていくよ?」 ブライトネス「これは?」 DM「以前呪文がこの通りにかけられた痕跡みたいなもんだと思って」
ジャア「幻影はどちらの方に向かっていった?窓から覗いてみるぞ」
DM「幻影は竹薮の方にゆっくり向かっているよ」
クロト「結局行くしかないか」 ジャア「よし!追跡だ!」
(5)魔術師の追撃
こうしてサイクロプスの幻影を追って一行は竹薮に突入した。竹薮は便宜上、16のブロック
に分けていた。図にすると下の通りであり、ダイスを振って出た数字の内容のイベントが起きる
ことになっていた。
@―A―B―C
| | | |
D―E―F―G
| | | |
H―I―J―K
| | | |
L―M―N―O
|
1:犬が襲ってくる(ブリンク・ドック)
2:猿が襲ってくる(サスカッチ)
3:鳥が襲ってくる(グリフォン)
4:竹槍が振ってくる(D6ダメージ)
5:きのこが出現(シュリーカー)
6:きのこが出現(シュリーカー)
7:黴が出現(イエロー・モールド)
8:エンドウ豆入りの俵を見付ける
9:アズキ豆入りの俵を見付ける
10:ダイズ豆入りの俵を見付ける
11:何もなし
12:何もなし
13:何もなし
14:何もなし
15:落し穴(D6ダメージ)
16:サイクロプス出現
一ヶ所のブロックにつき、ダイスを一回振り、結果を見る。一度出た結果は消去し、十六箇所
のブロックを回ると、全ての結果が出るように設定した。ところがところが…
ジャア「この竹薮はインフラが必要な感じか?」
DM「いや、それほどでも。薄暗いけれど、ぼんやりとは見えるよ」
クロト「ブライトネス、君の出番だ」 ブライトネス「周囲を警戒しますよ」 ジャア「いつでも引き返せるように退路を確保だ。ちなみにサイクロプスの幻影はまだ見える
か?」 DM「いや、もう消えているよ」 ジャア「では、竹薮の奥に向かって進軍だ」 DM「そう?(ころころ)では、君たちは、竹と竹の間に俵が落ちているのを発見するよ」
ジャア「では、駆け寄ってみてみよう。ちなみに、中身は?」
DM「ダイズ入りの俵だね」 ジャア「では、これは後で倉庫番の守衛に回収してもらうとして、足跡とかない?」
DM「(ころころ、成功)パッと見見当らない」
クロト「よし、ヒアノイズ!」 DM「(ころころ、成功)では、奥の方から物音がするよ」 ジャア「やはり、この竹薮の中には何かいるぞ。日が暮れないうちに進軍だ。ひょっとしたら、ま
た俵が落ちている?」 DM「(ころころ、あれ、また豆俵だ)はい、また俵が落ちていました」
ジャア「中身はやっぱり豆?」 DM「今度はエンドウ豆です」 クロト「敵が近いのかな?再度ヒアノイズ!」 DM「(ころころ、聞こえた)うん、何か聞こえます」 クロト「どんな声?」 DM「うん、実はクロトではわからない」 クロト「なら、皆に色々な言葉を喋ってもらおう。思い当る言葉だったら、それだ」
クロトの頭脳プレイによって、ジャア、キラークが異種族言語を喋り始めた。ああでもない、こ
うでもないと試行錯誤を繰り返した結果…
DM「その言葉は、ジャアが喋ったことがあるというか、唱えていたことがあると分かった」
クロト「呪文か!」 ジャア「今が詠唱中か?」 キラーク「ここはチャンスだ!つっこむぞ」 DM「(ふふ、あくまでも声がするだけで、近くにいるわけじゃないぜ)」
クロト「不意打ち、ゴー!」 DM「では…(ころころ…げっ!16!)おっ、君たちの目の前にサイクロプスが現われた!」
なんと不思議。こうした時に、見事サイクロプス出現の16の目が出てしまった。こういうおか
しな偶然があるからTRPGは面白い。
DM「では、竹薮の一角が切り開かれていて、俵が山ほど積まれているのを君たちは目撃す
る。その前に一匹の巨大な一つ目の鬼が立ち尽くしているよ」
クロト「幻影かどうか意識して見るよ。こうすれば見破れるからね」
DM「では、知恵チェックを」 クロト「(ころころ)1成功!」 一同「おお!」 DM「では、完璧に分かった!サイクロプスの上半分は幻影だが、下半分は本物です」
クロト「と、いうこは、本人が化けたものだ!」
ジャア「なら、呪文の詠唱中にウェブをかけてやる」
DM「では、戦闘だ!…あ、ゴメン、フロアタイル忘れた。誰か持っていない」
ブライトネス「私、持っていますよ」
うっかりDMは戦闘用のフロアタイルを忘れていた。自身でもDMをするブライトネスのプレイ
ヤーが持っていたから助かったが、そうでなかったら皆からこの不始末を攻撃されるところで
ある(笑)。 ともかく戦闘は始まった。さて、いきなり決戦だ! そして、イニシアチブはいきなり一行に取られる(苦笑)。
ジャア「あれ?駄目だ。接敵しないとウェブは使えない。仕方がない。移動だ」
ブライトネス「同じく」 クロト「皆移動して終わり」 DM「では、サイクロプスは攻撃してくる。(ころころ)クロトに攻撃だ」
クロト「ふふ、でも、僕はもう幻影だと悟っている」
DM「だから、当たってもダメージは無し。敵はまだ見破られたことに気が付いていないから
ね。では、イニシアチブだ(ころころ)3!」 ジャア「(ころころ)5!」 DM「では、そっちの番だ」 ブライトネス「私が射撃!(ころころ)うん、4まで当たり」 DM「それは当たりだ。何しろ実はこっちのACは9しかないからね」
ブライトネス「ダメージ2点!」 DM「はい、するとサイクロプスの姿が消えて、黄色いローブを着た、浅黒い顔の中年魔術師
が苦悶の表情で現われる」 キラーク「いくんだ、ジャア!」 ジャア「よし、カビ家の者の要請を受けてマジックミサイル!ダメージ6点!」
正体がバレ、しかも接敵された魔術師などもはや彼らの敵ではない。この後キラークの攻撃
が命中して、あっさりと魔術師サンダースは倒れた。
ジャア「鬼のサンダースがあっさりと倒れてしまった!」
DM「だってサンダースは魔術師だもん。ACも低いしHPも低い(実は14点しかない)」
キラーク「サンダースは呪文書を持っているかな?」
DM「(うっ…)持っているよ」 ジャア「これ、私がもらっていいよな、いいよな!」 ブライトネス「中身の種類にもよると思うんですけれど」 DM「うん、一応、3LVまでの呪文は皆書いてあるかな」 キラーク「スクロールが出来た!ジャア、これは使えるぞ」 ジャア「さすがカビ家の人だ。これは我々で有効活用しよう」 クロト「証拠にサンダースの死体も持って帰るよ」 ブライトネス「そういや、サンダースの死体とかを探ってみるんですけれど、何か指令書のよう
なものを持っていないですかね」
サンダースの死体を探ると、彼がニュースロイト軍の刺客ということが分かった。バンブー島
の密輸を止めようとしたサンダースは、倉庫から豆を盗みだし、サイクロプスに化けて、誰も近
寄らないようにさせたのだ。しかし、豆を求めた一行達によってサンダースの計画は阻止され
たのである。
ジャア「敵も倒したし、この竹薮を掃討したいところだな」 クロト「あまり余計な所はウロウロしない方がいいと思うけれど」 ジャア「だが、ここで竹薮掃除をしておけば、領主のノッテンガムに恩を売れるぞ」
クロト「なら、慎重にいこうよ」 DM「掃討する?(ころころ)おや、では、カビが出たね」 キラーク「私か?」 DM「いや、なんというか、イエロー・モールド(←即死する粉を吹くカビ)なんだけれど」
一同(笑) ジャア「さすがカビ家の人!」 クロト「はいはい、こんなのはさっさと焼いてしまおうよ」
取りあえずイエロー・モールドを焼いて退治したところで竹薮の掃討を終えて引き上げる。こ
の辺も彼らはタイミング抜群であった。結局無駄な戦闘を少しもせずに、ミッションをクリアーし
たのである。
(6)まだまだ食料氷河期
ジャア「ノッテンガムさんに戦利品を見せて、これが盗まれた品物か確認してもらおう」
クロト「サンダースの死体も確認してもらおう」
DM「『こ、これは鬼のサンダース!』」 クロト「こいつがサイクロプスの幻影を作り出して、皆を寄せ付けないようにしていたようだよ」
ジャア「どうやら、鬼のサンダースというのは、鬼に化けることができるサンダースだったようだ
(笑)」 DM「『な、なんと…バカバカしい(笑)』」 クロト「て、いうか、シナリオ作ったのDM(笑)」 ジャア「本当にバカバカしい(笑)。しかし、我々は功績を立てた。できれば報酬に少し色を付け
ていただきたいのだが」 DM「『ああ、もちろんだ。君たちの舟に詰めるだけの豆を提供させてもらうよ』」
こうして、ノッテンガムから豆俵をしこたま分けてもらった。これでしばらくノルキスタン国の食
料問題も解決である。ここの領主とのコネも作りつつ、一行は見事にノルキスタンへと生還を
果たしたのだ。 不思議なことに、帰りの移動でもモンスターのエンカウントは起こらなかった。この辺り、ゲー
ムというものは不思議である。
DM「では、君たちはノルキスタンに帰ってきた。不思議だなぁ。こんなにすんなり行くとは思わ
なかった」 クロト「でも、サンダースに呪文を使われていたらマズかったよ」 DM「奴は5LVの魔術師だったからね。余談だけれどあの豆は、サンダースの幻影を破るた
めにあったんだよ」 クロト「ブツけたらなんかなったわけ?」 DM「サイクロプスと思って豆をブツけたら、相手の呪文が破れて、正体が現われたというわけ
さ。ちなみにシナリオのコンセプトは節分です(笑)」
ブライトネス「よし、総統に報告だ!」 DM「ではレザー総統が『よくやった。豆は?』と」 ブライトネス「舟に積んであります。そちらで人員を出して運んでください」
DM「『よし、では兵隊たちに運ばせよう』」 ブライトネス「人間クレーンを作るんですよ」 DM「では、屈強のドワーフ軍団が動員されます。そしてたちまちのうちに、総統府の前に、豆
俵が山のように積まれました。『すばらしい!君たちの功績は偉大だ!これで当分モヤシが作
れる』」 クロト「あの〜、総統、モヤシだけじゃなくて、何か他の食料を開発しないといけないと思うんで
すけれど」 DM「『それは分かっている。私の次の目標は南の国エルフラントだ』」
ジャア「総統、それは我々に、南方へ進出しろってことですか?」
DM「『南のエルフラントは同じデミヒューマンの国だが豊かな国だ。交渉するにしろ、攻め込む
にしろ、エルフラントの存在は大きな問題だ』」
ジャア「うむ!」 DM「今回の報酬に、食料が一週間分支給されるよ」 ブライトネス「作戦行動時間が増えました(笑)」 DM「そして、ノルキスタンの厳しい冬はなんとか過ぎていくのです。おそらく、次は南の国エル
フラントを舞台にして作戦が展開されるでしょう。では、また次の作戦にて」
(つづく)
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