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(1)攻略作戦前夜 DM「では、いよいよ、第一部最後の作戦を開始します」 カナート「いや〜、ノース・コーストを陥とすのは大変でしたね(笑)」 DM「いや、まだ落ちていませんってば(笑)。これから攻略作戦が始まるんだから」 キラーク「今回はどんな酷い作戦が待っているんだろうか?」 DM「おっと、そうだ。前回は不参加だったキラークが今回は合流します。前回の作戦で君たち はハムリの村の危機を救いました。そして、そのままハムリの村でしばらく待機しています。そ こにキラークが訪れて合流しました」 キラーク「エンカウントもやられず、無事に辿り着けたわけだな」 DM「そうですね(笑)。まあ、ロック鳥とかに何回か突かれたかもしれませんが(笑)」 キラーク「そんなことがあったらとっくに死んどるわ!」 DM「まあ、それでも奇跡的に無傷で辿り着けていますから(笑)。そうそう、キラークは総統か ら伝言を預かっていますよ」 カナート「なんですかね。あのインチキ総統は我々に何かお土産でも渡してくれたんですか?」 DM「いや、違うよ(笑)。どっちかというと、手土産を持って来いという命令だ。『ノース・コースト を手土産に、ケガワントへ凱旋することを願うぞ』というものだ」 キラーク「相変わらずの総統だな…」 DM「さて、前回の復習も兼ねて、ちょっとノース・コーストについて説明しましょう。ノース・コー ストを囲む城壁の四隅にはそれぞれ塔が立てられています。この塔がデミヒューマン感知装置 になっています。仕組みとしては、特殊な宝石でデミヒューマンの気配を感知するという奴で す。しかし君たちは前回、〈血のひすい〉という指輪を手に入れたので、この感知装置からは逃 れられます」 キラーク「私は前回いなかったのだが、私の分もあるのか?」 カナート「六個預かったから余分はある。そうだ、忘れないうちに渡しておこう。填めておくと微 妙に人間っぽく見えるらしいぞ」 DM「あと、それからキラークには総統からの司令が伝わっている。まずはノース・コーストの盗 賊ギルドと連絡を取るのが君たちの使命だ。盗賊ギルド長はヨカナンと言い、魔術師達が街を 支配していることに反感を持っている。だから、君たちとは利害が一致するわけだ」 ブライトネス「ふふふ、我々はお互い、裏街道を生きるモノたちですから」 クロト「ところで、どこで連絡を取ればいいかわかっているの?」 DM「街の一角に〈銀の鱗亭〉という酒場があるので、そこで繋ぎを取れということだよ。街はこ んな感じかな(MAPを描く)」 ![]() クロト「取りあえずはヨカナンに連絡をとらないと駄目だね」 ブライトネス「街に乗り込まないといけませんね。やはり城門から入るべきでしょうか。指輪があ るから、とくに怪しまれないと思いますが」 DM「そうだね。城門に見張りは一応数人いるんだけれど、塔のレーダーに頼りっきりなので、 あまり警戒していないらしい」 キラーク「一人だけ指輪の調子が悪くて、レーダーにノイズが交じるなんてことはないだろう な?」 DM「さすがに、それは大丈夫だと思うけれど(笑)」 キラーク「どうも、何かありそうな気がする」 DM「(そりゃ、何かはあるだろう…さすがに、そんなセコい手はつかわんが)」 クロト「じゃあ、街に向かう!」 こうして、第一部キャンペーンの最後の作戦が始まった。目標はノース・コーストを陥落させる こと。そうすれば後は上層部が和平交渉に動いてくれる。デミヒューマン特殊部隊の全力を投 じた攻略作戦が開始されたのであった。作戦参加メンツはキラーク、クロト、ダルメ、ブライトネ ス、カナートの五匹。基本的に三匹〜四匹という作戦参加人員規定を、今回は最終回故に取 り払って開催した。できれば他のキャラクターにも参加して欲しかったのだが、リアル生活での 仕事が忙しかったそうで… (2)魔法剣士の登場 DM「君たちが今いる村からは街まで半日です」 カナート「と、いうことは当然エンカウントが…」 DM「もちろん、チェックするよ(笑)。(ころころ)、はい、何も出なかった。よかったね(笑)。そし て君たちは街の南門の前まで来ました」 キラーク「きちんと、指輪を填めているか確認だ。実は填めていなかったなんていうオチは嫌だ からな」 ブライトネス「さすがに、それはないでしょう(笑)」 キラーク「いや、このDMのことだ。『きちんと宣言していなかったから、指輪は填められていな いねぇ』とか言われる可能性がある」 DM「(う〜む、今までが今までだったから、用心深いなぁ)」 キラーク「では、指輪をしっかりと填めて城門へ向かおう」 DM「はい、大丈夫。城門はきちんと通り抜けられましたよ。南門を抜けると、右手にはニュー スロイト軍の練兵場があって、魔術師たちがマジック・ミサイルの練習に励んでいます」 カナート「お、恐ろしい!どのくらいのLVの魔術師達がいますかね?」 DM「う〜ん。マジック・ミサイルの数は一本から三本までと様々です」 カナート「皆さん、5LV以上の奴がいます(汗)!」 DM「そんな中、一人変わった奴がいます。ここの指揮官っぽい人ですが、彼は不思議に剣を 持っています」 カナート「こいつが魔剣のアリストテレスかな」 キラーク「なんか、変な指輪を填めているとかあるか?あと、こいつは本当に魔術師なのか?」 DM「なら、知恵にマイナス5して全員チェックしてみて」 全員「(ころころ)駄目だぁ〜」 DM「駄目だった?なら、わからないね」 ダルメ「では、近くにいる魔術師に聞いてみましょう。すみません、我々は旅のものですが、あ そこにいらっしゃる剣士の方はいったいどなたですか?」 DM「『なんだ、なんでそんなことが知りたい?』」 ダルメ「魔術師ばかりのこの街で、剣を持った方はめずらしいですから」 DM「『あの方がノース・コースト司令官、魔剣のアリストテレス様だ』」 ダルメ「その方ももちろん、魔術師なんですよね?」 DM「『ニュースロイト軍には魔術師以外は入れない。あの方も当然魔術師だ』」 ダルメ「しかし、なぜ剣を持っていらっしゃるんですかね」 DM「『さあな。趣味じゃないのか』」 カナート「この人は駄目です…」 ダルメ「ヨカナンに話を聞けば全て分かるんじゃないですか?」 キラーク「そうだな。〈銀の鱗亭〉がこの近くにあるようだからな。それより、みんな、大事なこと がある!」 ブライトネス「な、ななな、な、なんですか?」 キラーク「せっかく街にきたので、この機会に魔法のアイテムを漁るのだ!」 キラークの言葉に、一同ハッと気が付いた。今までは村ばかり回っていたので金を使う機会 がなかった。しかし、今回人間の街に来たことで、初めてマトモに買物が出来るのである。店を 片端から漁った結果、スローイングハンマーにロンジェビティーポーション(若返り薬)という、妙 なものが手に入った。(キラーク「ドラゴンが出たら、飲ませて若返らせて弱くするのに使え る!」)そして、購買意欲を充たした後で、彼らは本題の〈銀の鱗亭〉にやってきたのであった。 DM「では、〈銀の鱗亭〉に着いた。普通の酒場っぽいです」 カナート「合い言葉とかはなかったっけ?」 キラーク「私は総統から、連絡方法を聞いてないか?」 DM「聞いてますよ。〈銀の鱗亭〉には魚の形をした看板がかかっているんだけれど、その看板 の鱗を一枚逆さに向けるのが合図らしい」 キラーク「では、動かしてみよう」 DM「では、すぐに店から店主が出てきて、『何の用だ?』と」 キラーク「話が早いな」 DM「『その看板の鱗はチャイムになっているんだ。何か用事があって呼んだんだろう?』」 キラーク「実は我々はケガワントの…」 DM「『こら!そういう話は奥に入ってからだ』」 クロト「ひょっとして、あんたが…」 DM「『いいから、とっとと中に入るんだ!』」 キラーク「何の用だって聞いたのはあんただ」 DM「『だからって、往来で話すことでもあるまい』」 キラーク「やかましいな。分かった、分かった。奥へ通してくれたまえ」 なんか、微妙にズレた交渉になってしまった一行。人間と会話するのは久しぶりだから仕方 がないのか?なにしろ、今までロクすっぽ町中で冒険させていなかったからなぁ。 (3)魔封じの宝石 DM「では君たちは店の奥に通される。店主は素早く表のドアに鍵をかけて、〈本日休業〉の札 を出しに行く。そして君たちの所に戻ってくると『私がヨカナンだ。どうやら、ケガワントの総統の 密命を受けたもの達のようだな』と言う」 クロト「やはり、あんたがヨカナンだったんだ」 カナート「詳しい話は聞いていますかね」 DM「『ああ、君たちがたいへんな腕利きであるということとかな。まあ、この街に入ってくるとい うだけで、その腕前が窺えるというものだ』」 クロト「あまり信用しないで。ボクたちも総統の話も(笑)」 カナート「そうそう、ヨカナンさん。さっそくですが、一つ質問をさせてください。さっき練兵場で魔 剣のアリストテレスという魔術師を見ました。奴はなぜ、魔術師なのに鎧と剣が使えるのです か?」 DM「では、ヨカナンさんは話してくれる。魔術師の中にはほんの僅かだが、剣も魔法も使え る、エルフのような連中がいて、魔法剣士と呼ばれている」 クロト「パチモンじゃなくて?」 DM「いや、本当にサプリメントで紹介されていたから、実在するよ。ただ、正式名称を僕の方 が忘れちゃってね(汗)。でも、本当にあることはあるんだ。レベルの上る速度がエルフと一緒 で、セービングスローは人間と一緒だけれど」 ブライトネス「それって、凄く非効率的なような気がするんですけれど」 クロト「どう考えてもエルフの方が強いよ(笑)」 カナート「では、魔剣のアリストテレスはかなり頑張ってレベルを上げているわけですな。私もレ ベルを上げるのには散々苦労をしました(しみじみ)」 ブライトネス「いや、拙僧も低レベルで苦しんでいます」 クロト「魔法剣士かぁ。冗談かと思っていたけれど、本当にいるんだね」 DM「本当にいます。それで、そういう連中は魔術師軍団のエリートとして扱われ、要職に付くこ とが多いらしい」 カナート「アリストテレスもその一人というわけですな。ヨカナンさん、なにか奴についてご存じな いですか?」 DM「『そうだな。アリストテレスは別名を【表のアリス】というらしい』」 カナート「表のアリス?鎧がリバーシブルになっているとか?鎧の色は何色でしたかね?」 DM「何色にしようか…今までの魔術師軍団の兼ね合いも考えると灰色がいいね。灰色にしよ う」 ブライトネス「どっちつかずの色ですね」 クロト「表のアリス…ひょっとして、アリストテレスってのは二人いるってことかな?」 カナート「実は、アリスとテレスの二人組とかいうオチ?(←す、するどひ…)」 DM「(焦)あ、あと、アリストテレスは女だからね」 カナート「女ですか」 クロト「取りあえず、そのアリストテレスを押さえてしまえばいいだよね」 DM「『ああ。実は、アリストテレスはニュースロイト総督の姪でな。奴を押さえてしまえば、交渉 も有利に進むだろう』」 クロト「実力だけでなく、コネでも出世したって奴なのかぁ」 カナート「ヨカナンさん、この街の魔術師軍団は何名くらいですか?」 DM「『アリストテレスを除けば総勢三十名だ』」 キラーク「意外と少ないな」 DM「それはね、実はニュースロイトの魔術師の数は相当減っているんだ。なぜかといえば、第 一話で君たちが〈炎のフォックス〉率いる五十名を全員凍死させたからね」 カナート「あの、極悪非道な作戦ですか(←実行したのはおめーだ)」 DM「だから、人数はさほどいない。また、〈炎のフォックス〉が倒されたので、代わりの司令官 を探さなければならなかった。だから、第一話以降、向こうは結構ピンチだったというわけだ」 ダルメ「なるほど。バカな魔術師ばかりだったのもそれで分かりました(笑)」 ブライトネス「しかし、まだ三十名もいるんですな」 DM「『君たちとしても、魔術師三十名を相手にするには骨が折れるだろう』とヨカナンさん。『そ こで、私はこのようなものを用意した』と言って、彼は四つの宝石を出してきます」 カナート「なんですか、これは?」 DM「『これは〈魔封じのトルマリン〉という宝石だ。これを、街の四隅にある塔に据え付ければ いい。そうすればこの街の魔術師を無力化できる。塔に設置してある宝石は、デミヒューマンを 感知するものなのだ。その宝石を取り外して代わりに魔封じの宝石をはめ込めばいい』 カナート「しかし、そのアイディアには一つ問題があります。その宝石を取り付けると、我々の持 っている『血のひすい』の効果も無力化されてしまう」 DM「『しかし、同時に感知装置も無効化されるからな』」 クロト「でも、その宝石を持って歩いている時に、我々の指輪も無効になってしまうから…」 DM「ん?ああと、そうだね。ちょっと補足説明をし忘れていた。宝石って奴は、基本的に、持っ ているその人にしか効果は及ばない。だから、〈魔封じのトルマリン〉も基本的には所有者にし かその効果は及ばないんだ。けれど、四隅の塔には宝石の効果を増幅する装置がしかけてあ る。だから、今は持っている者にしか効果は及ばない。塔に設置して、初めて広域をカバーで きるようになる」 クロト「じゃあ、ヨカナンさんに宝石を持っていてもらえば、ボクたちの正体はバレないってわけ か」 カナート「ふう、ほっとしました。私はなんとか誤魔化せますが、ブライトネスのような犬顔は人 間でないことが一目瞭然でしょうし」 ブライトネス「ぬ、ぬおぅ!拙僧ショボーン!」 カナート「では、この作戦を遂行しましょう」 キラーク「ちょっと考えてみたんだが、ゲリラ作戦はどうだ?偽ってアリストテレスをこの酒場に 呼び寄せる。そして、さっき買ったロンジェビティーの薬を飲ませて子どもに変える。後は皆でタ コ殴りだ。まさか子どもの時から魔法が使えるわけでもあるまい」 DM「悪魔みたいな作戦だね。まあ、それもアリといえばアリか。アリストテレスはせいぜい二十 歳前後だから有効だろう」 キラーク「奴はそんなに若いのか。よく、司令官になれたな」 DM「総督の姪だからね」 キラーク「天下りってやつだな」 DM「さて、どうするかね?」 キラーク「まあ、言ってはみたが、結局魔法を封じる作戦が一番妥当そうではあるな」 カナート「ケガワントにも連絡を取って、同時行動を取ろう。我々が魔法を封じ込めたら、ノー ス・コーストに攻め込んでもらえるように。特に、優秀な人材を優先的に送り込んでくれるように も要請しておきましょう」 クロト「優秀な人材ってのは難しいかもよ(笑)」 ダルメ「一つ質問があります。塔のデミヒューマン感知装置って、宝石を外したら何か異変が起 こるとかあるんですかね?」 DM「『さあ、それはわからん』とヨカナンさん。『でも、塔は基本的に無人だからな。そうそうバレ る気遣いもあるまい』」 カナート「なんて不用心な!」 DM「普通は街に近付く前にデミヒューマンは感知されてしまうからね。まさか、内部に入って工 作をしているとは思わないわけだよ。ただし、人はいないけれど、何か変なバケモンはいるらし い」 カナート「それは無人でもたしかにOKですな。どんなバケモノがいたか分かっていますか?」 DM「そうだね。まあ、ある筋の情報からだと、変な触角を持ったアルマジロみたいな奴がウロ ウロしていたらしい(←つまりラスト・モンスター。剣や鎧を錆びさせて使いものにならなくさせ る)」 カナート「それはいや〜ん!」 DM「まあ、魔術師には剣も鎧も関係ないですからね。あとは、なんか包帯を巻いたアンデット (マミー。いわゆるミイラのバケモン)もいたらしいよ」 一同「げぇぇぇ!」 ブライトネス「ちなみに我輩、ターン・アンデットができません」 カナート「なぬぅ?」 ダルメ「私はできますよ。失敗したらゴメンナサイですけれど(笑)」 キラーク「これで、バンパイアとか出てきたら、我々が死人の仲間入りだ(汗) クロト「結構酷い塔だね…はたして上手くいくのかな。でも、魔術師三十人と直に戦うわけには いかないし…やっぱり、魔法封じ込め作戦しかないのかな」 ブライトネス「そうそう、その〈魔封じのトルマリン〉の効果はプリースト呪文に及びますか?」 DM「いや、僧侶呪文は対象外だ。だから、ダルメとブライトネスの魔法はそのまま使える」 ブライトネス「それは助かりますな」 DM「ただし、武器防具に込められた魔法等は無効化されてしまうから気をつけてくれ」 キラーク「なら、クロトが前衛だな」 クロト「何オフザケを(苦笑)。こんな時こそキラークの出番じゃないの」 キラーク「前回参加していない私はレベルが極度に低いのだ」 クロト「いいのいいの!HPが高ければ!」 キラーク「こんなレベルの低い私になんて酷い仕打ちを…」 DM「物凄いインチキな台詞だな。さて、それで結局どうするんだ?」 カナート「ヨカナンさん、アルマジロモドキがいた塔はどこか分かりますか?」 DM「『どうも、北東の塔らしいが』」 カナート「して、ヨカナンさんの装備は何ですか?」 DM「革鎧にショートソードだよ」 カナート「では、北東の塔から攻略しましょう。ヨカナンさん、あなたも一緒に来てください。あな たの力が必要なのです。あなたがいないと、この作戦は失敗してしまうかもしれません。と、い うわけで、ヨカナンさんを連れて北東の塔に向かいます」 DM「こ、断れん…」 カナート「塔に行く前にちゃんと総統にも連絡して、援軍を要請しておきましょう」 と、いうわけで、カナートの小狡い作戦が発動した。一行はヨカナンさんを連れて東北の塔に 向かう。彼は七レベルのシーフ。このキャンペーン始まって以来、まともなシーフがパーティー に参加したのであった。そして彼らは北東の塔へと乗り込んだ。 (4)ソールと棍棒大作戦 カナート「塔は何階層?」 DM「四階建てです」 キラーク「一階ごとにモンスターが配備されているとかのオチがあったら嫌だな」 DM「とか、言っていると、君たちの目の前に、変なアルマジロが四体でてきましたが」 カナート「知力チェック!(ころころ)成功!」 DM「では、ラスト・モンスターが四体出ました」 カナート「ヨカナンさん、今です!今こそ盗賊ギルドの凄さを見せ付ける時が来ました!我々は 部屋の外でアナタの活躍を見守っています(笑)」 DM「ではヨカナンさんが『うむ』と言って革鎧と棍棒姿で前に出ていきます」 キラーク「こっちもサポートするか。鎧を脱いで、棍棒を持って突撃だ!」 DM「では、そのあと、凄まじい戦いと地獄絵図が繰り広げられ、辺りには屍が散乱しました」 キラーク「ふう、勝った。もう少し塩味が利いていればなおよかったが(笑)」 クロト「まさか…食ったの?」 DM「鉄を食うモンスターを喰い返してどうする(笑)」 こうして、ラスト・モンスターはあっさり駆逐された。う〜ん、なんだか悔しい。 そして彼らは塔の二階、三階と進んでいく。キラークの懸念は杞憂に終わった。モンスターは 基本的に塔の一階にしか配置しておかなかったのだ(笑)。 DM「では塔の四階に着いた。中央に台座があって、宝石が設置されています」 クロト「この宝石を取り替えればいいのか」 カナート「外して、我々が持っている魔封じの宝石と交換しなければならないわけか。簡単に外 れますか?」 DM「簡単に外れるけれど」 カナート「では、交換しよう」 クロト「これで、我々の持っているマジックアイテムもその効果を失うわけか」 DM「では、宝石が台座に設置されると大きな光が放たれ始める。そして、君たちの姿はすぐ に元どおりのデミヒューマンになります」 ブライトネス「これにて、いつもの拙僧です(笑)」 クロト「一応確認するけれど、大丈夫だよね。アンチマジックの範囲では、他の塔のデミヒュー マン感知装置の効果は及ばないよね?」 DM「感知装置も魔法的なものだから、当然打ち消される。だから、君たちの存在はバレない」 ブライトネス「一つずつ、確実に取り替えていきましょう」 四つの塔の宝石を全部取り替えれば、ノース・コースト全域をカバーして、魔法を打ち消すこ とが出来る仕掛けである。 カナート「これで、この塔の周囲では魔法が使えなくなったってわけか」 DM「ヨカナンさんの話では、塔一つで街の1/4区画をカバーできるそうです。だから、全部交 換したら街全体で魔法を遮断できるわけだね」 クロト「宝石を取り替えたのはいいけれど、これが魔術師にバレたら困るね」 ダルメ「DM、魔術師って、自分の魔法がアンチされたりしたらすぐに気付くものですか?」 DM「そうだねぇ。ディスペル・マジックされたわけではないから、これだけでは気付かないと思う けれど」 キラーク「しかし、もし相手が魔法のブーツとか履いていたら分かるかもしれない ブライトネス「なんでですか? キラーク「魔法のブーツは履いた者の脚の大きさに合うわけだから、ブーツが合わなくなった ら、魔法が打ち消されたことが分かってしまう(笑)」 カナート「あいたたた!急にブーツのサイズが…ってな事になったらバレちゃうわけですな (笑)」 一同(爆笑) DM「う、う〜ん、そんなケースは全く想定していなかったぞ(笑)」 こんなバカ話の一幕もありながら、彼らはまず一つ目の塔を攻略し終える。 カナート「次は北西の塔だ!」 クロト「ヨカナンさんを先頭にして、罠を探してもらいながら進もう。ヨカナンさんに魔封じの宝石 を持たしておけば、魔法の罠も防ぐことが出来る」 DM「では、北西の塔に着いた。そして、君たちの前に新たな敵があらわれました」 カナート「(ころころ)知力チェックは成功!」 DM「では、ソールが三体出た」 ブライトネス「ノールとグールとトロールの合成品ですな」 DM「まあ、ニュースロイトの連中が実験で作った人工生物です」 ダルメ「アンデットではないんですか?ターンをしたいところなんですが」 DM「アンデットではないからターンは無理だね」 キラーク「こいつらに〈魔封じのトルマリン〉をぶつけたら、バラバラになるとかいうオチはないか な(笑)」 DM「さすがに、これは合体済みだからそういうことは起こらない。では、イニシアチブだ!」 ソールと一行の戦いが始まる。とはいえ、もうPC達の方が圧倒的に強くなっているのでさして 苦戦はしない。ダルメのブレスの援護もあって、ソールも労無く駆逐される。しかし、不幸な目 に遭った奴が約一名… DM「ソールの攻撃がキラークに来たぞ。(ころころ)爪が二回命中!」 キラーク「ぬ、ぬぉぉぉぉ!」 DM「はい、マヒのセービングスローをしてちょうだい」 キラーク「そうか!グールのマヒ毒を持っているのか…(ころころ)あ…駄目だ…固まった…」 カナート「よくも我々のキラークを!」 キラーク「た、助けて…」 と、まあ、キラーク一人は悲惨な目に遭ったのだが、後は無事で、ソールは見事に駆逐され た。そして、ここの塔も無事に取り付け作業に成功する。 (5)早くも総統召喚 カナート「あと二つ取り付ければ終わりだな」 クロト「思うんだけれど、別に全部の塔を攻略する必要はないんじゃない?北の二つを取り替 えたってことは、北門では魔法は使えないし、デミヒューマンも感知できないってことでしょ?」 DM「まあ、そうなるね」 クロト「なら、もう総統たちの援軍を引き入れてしまった方がよくない?」 カナート「そんなんでいいの?」 クロト「マミーと戦うのが嫌でたまらないのよ」 ブライトネス「奴を見たものはマヒのチェックをしないと駄目ですから、かなりの強敵なのは確か です」 キラーク「戦闘が回避できるなら、それもありかもしれない」 クロト「ここは総統と連絡を取ってみようよ」 こうして、いきなり場面は急展開した。たしかに、マミーの強さは半端ではない。そういうわけ で、後の二つの塔の攻略は放棄された。さっそく彼らは盗賊ギルドと協力してケガワントに連絡 を取る。そして、しばらく時が流れるのを待つ。正直、DMとして考えなかったわけではない展 開だが、それにしても彼らは思い切りがよかった。そして、よっぽどマミーが嫌だったと見える (笑)。 カナート「さて、どうやってアリストテレスを攻めようか。力技に持ち込んでも強そうだ」 クロト「魔法を封じても、戦士として戦えるからね。どうしよう、DMが魔法を封じられることを前 提にしていて、実は戦士としてもおかしなくらいに強かったら」 ブライトネス「それより、我々と、魔術師軍団三十人との戦いが危険ですよ」 クロト「それは、総統から援軍が来るから大丈夫じゃないの?」 カナート「唯一の懸念は我々の援軍要請を総統が〈聞くだけ〉で終わらせている可能性です。 『うむ、わかった』だけで後は何もしてくれないかもしれません」 とか、なんとかインチキ総統に対して不信感を抱いていると、きちんと返事が届いた。ノース・ コースト南部の森に潜伏しているので連絡があれば突入するとのこと。 カナート「さすがの総統もきちんとやってくれましたか」 DM「こっちも三十匹を引き連れて。ノース・コーストを狙っているそうだよ」 クロト「と、いうことは、ベルンシュトルフ将軍も来ているんだよね…将軍に、アリストテレスと一 騎打ちしてもらうってのは駄目かな?その方が美しいんだけれど」 ダルメ「そして私は胴元として皆からお金を徴収します。『さあ、どっちが勝つか?』って」 クロト「なんて奴だ。鬼か(苦笑)」 ブライトネス「ところで、将軍への合図はどうします。やっぱり、マジック・ミサイルで花火を打ち 上げますか?」 カナート「そんな、もったいない!火矢とかで十分です」 キラーク「まちがって味方に火が着いたら嫌だな」 カナート「そこは臨機応変に行きましょう」 ブライトネス「あと、味方を北門から突入させるのか、南門から行かせるのかも考えておかない と駄目ですよ」 クロト「北門からに決まってるじゃない。南から入ったら相手にすぐに感付かれる」 ブライトネス「あと、アリストテレスがどこに居るのかもきちんと押さえておかないと」 クロト「そんなこと言っても、アリストテリスの正体が分かっていないんだから、なんともならない よ」 ブライトネス「どこにいるか位は突き止めておくべきですよ」 クロト「う〜ん、僕は、アリストテレス二人説を支持しているから。でも、ボク達にはそれを突き 止める方法がない」 カナート「奴が女であるということは分かっているのだけれど」 クロト「魔術師の誰かをトッ捕まえて、チャーム・パーソンで篭絡して聞き出すという手はあるけ れど、失敗した時のリスクが大きい」 DM「もちろん、そういう作戦が失敗したら、大惨事になると覚悟しておいてね」 クロト「今はあまり迂闊には動けないし動きたくないのよ。それより、いかに総統達を北門に導 くかだね」 カナート「南の森に潜伏しているんだから、レーダーにひっかからないように、大回りで北門に 回ってもらうか」 と、まあ、味方の軍をいかにして誘導するかという思考に終始した。待つことしばし。北門付 近にノルキスタン軍が姿を現す。軍とはいってもたった三十匹だが。 カナート「総統は来ていますか?」 DM「うん、それらしき姿が見える」 カナート「取りあえず、一度合流しましょう」 DM「では、合流した。総統が『ご苦労だったな。我が精鋭たちを引き連れてやってきたぞ』と言 う」 カナート「またそんなホラを吹いて…」 DM「『なんか言ったか?』」 カナート「いえいえ、どのような精鋭が来ていますか?」 DM「うん、総統以外にベルンシュトフル将軍に、グラタン兄弟。他にはマスードとかジャアとい ったキャラクターも来ているよ」 カナート「結構強い!」 キラーク「カウント君は来ているか?」 DM「ああ、ドワーフ君ね。来ているよ。将軍の太刀持ちとして」 キラーク「彼も憧れの将軍の傍で幸せだろう」 カナート「早速明日にでも突入してもらいましょうか」 キラーク「合図は、狼煙でいいな」 DM「『狼煙が上がったら突入すればいいのか』」 キラーク「そうですな。ただ、気をつけないといけないのは、街の北半分で戦ってほしいというこ とだ。その部分しか、魔法封じの効果はないからな」 DM「『了解した』」 討ち入りの準備は取りあえず完了した。あとは、いかにして魔術師軍団を北門付近に誘き寄 せるかである。四つの塔を全部攻略すれば話は早いのだが、みな、よほどマミーが嫌いなよう である(笑)。 (6)引っ掻き回せ! カナート「いよいよ。最後の戦いに向けて動きだしたな」 クロト「後は、ボク達が内部工作班として動くか。あまり使いたくはなかったけれど、魔術師を一 匹捕まえよう」 DM「どうやって?」 クロト「練兵場でウロウロしていない?」 DM「そりゃ、何人かいますが」 クロト「一人、おびき出そう。もしもし?」 DM「まあ、呼ばれたら、普通はやってきますが」 クロト「カナート、チャーム・パーソンを!」 カナート「では、チャーム・パーソン!皆さん、失敗したら、無理遣り拉致する準備をしてくださ い」 DM「こいつは4LV魔術師だからな(ころころ)うん、抵抗失敗です」 ブライトネス「ふう、取りあえず成功ですな」 カナート「もしもし、同士。我々と仲良くしましょう」 DM「では、魅了された魔術師は『もちろんだ、同士』と答える(笑)」 カナート「毎日毎日訓練しているみたいで、大変そうですね」 DM「『ああ、まったくだ。どうせこの街にデミヒューマンの奴らなんか入れっこないんだから、こ こまで厳しくしなくてもいいのによ』」 ダルメ「こういうバカばっかりだから、ニュースロイト軍は落ちぶれていくんですな(笑)」 カナート「たしかに、厳しそうですね。君たちの上司、あれはアリストテレスさんとおっしゃるんで したっけ?」 DM「『そうだよ。女だが、ひどく厳しくてな』」 カナート「なんでも、魔法戦士だって聞きましたが」 DM「『なに、魔法戦士?あんた、そんな奴、そうそういる訳ないじゃないか』」 カナート「なぬ?アリストテレスさんは魔法戦士ではない?」 ダルメ「自称魔法戦士のパチモンですかね?」 DM「『いや〜、その辺は重要機密だからねぇ』」 カナート「なにを言うんですか同士。我々には隠し事はあってはならないのですよ(笑)!」 DM「『う、うん、そうだな。お前等仲間だからな(笑)。いや、実はアリストテレスはアリスとテレス の二人で一人なんだ』」 クロト「やはり!」 DM「『戦士のアリスと魔術師のテレス。二人合わせて魔剣のアリストテレスだ』」 カナート「なるほど。戦闘に入る前に、戦士のアリスをなんとか片付けてしまえばこっちが有利 になるな」 キラーク「今日、練兵場にいたのがアリスの方か」 ブライトネス「魔術師のテレスの実力とかはわからないですか」 DM「『ファイア・ボールを8個出していたけれど』」 ブライトネス「8LV!」 DM「そして、戦士の方も同じくらいのレベルだそうです」 キラーク「強いな」 ブライトネス「しかし、なんでそんな回りくどいことをしているんでしょうね。確かスロイトでは、魔 法が使えない者は馬鹿にされているはずなのに、なぜ戦士が司令官に?」 DM「『魔法も剣も使えるほうが箔が付くからだろう。それに、彼女たちのコンビネーションは絶 妙だからな。二人で一人ってのも伊達じゃないぜ』」 カナート「彼女たちは双子なんですな」 DM「ああ、そうだね。双子になる」 カナート「彼女たちの正体を我々が明かしてやりましょう。奴らのからくりなど我々にはお見通し でした(笑)」 キラーク「さて、作戦はどうする?」 カナート「北門から総統の軍に侵入してもらおう」 クロト「奴らはまだ、街の北では魔法が使えないということはわからないから」 カナート「問題は、どうやって街の北に魔術師軍団を集めるかだけれど」 キラーク「こんな作戦はどうだ?塔にもう一度登って、宝石をデミヒューマン感知のものと取り替 える。すると、当然警報が鳴る。魔術師軍団が一斉に集まってくる。そこで素早く宝石を、魔封 じのものに取り替える。奴らの魔法は全員きっちり封じ込まれる」 カナート「おお!」 クロト「すばらしい悪魔の作戦(笑)!」 キラーク「そこで我々と総統の軍が突撃すれば、全て片付くというわけだ。どうせ、この戦いが 初陣に近いような司令官だ。我々の作戦にはあっさりひっかかるだろう」 クロト「どうせなら、その前に司令官を片付けておいてしまわない?」 ダルメ「どうやってですか?」 クロト「おそらく、アリストテレスは自分たちが二人居るという秘密をバラされたくないと思う」 ダルメ「それは、ひょっとして、脅迫状を書くというわけですか?」 カナート「なるほど!『お前の秘密を知っている!』というような手紙を書いて、おびき出してタコ 殴りにするというわけですね」 クロト「その後で総統の軍につっこんでもらったら、司令官のいない魔術師軍団は一網打尽に できるよ」 DM「(よく、こんな悪魔みたいな事ばかり思いつくなぁ…)」 と、いうわけで、次々に恐ろしい作戦が考えられ、実行に移されるのであった。まず、総統の 軍はノース・コーストの近くまで移動させておく。その後、アリストテレスに脅迫の手紙を出して おびき寄せる。そして、アリストテレスを倒した後、総統の軍に突入してもらう。 斯くも見事な攻略作戦は、DMとしても近年ついぞ見たことがない。この点は素直にプレイヤ ー達を誉めるべきである。ただ、彼らの作戦には一個だけ穴があった。そして、その穴を作戦 遂行の段階で思い知ることになる。 (7)ツイン・パワー! カナート「では、アリストテレスに脅迫状を出そう。さっきチャームした魔術師君に運んでもらお う。『お前が双子だという秘密をバラされたくなかったら、二万GP用意しろ』と書く」 キラーク「我々はどこで待つ?」 クロト「塔でいいんじゃない?塔なら奴の魔法も封じ込められるからね」 DM「じゃあ、君たちは塔に登った」 キラーク「アリストテレスの様子を見てみるが」 DM「塔から練兵場の様子が見えます。さっきの魔術師君が、手紙をアリストテレスに渡してい るのが見えます」 キラーク「戦士の方のアリストテレスか?」 DM「そうだね。戦士の方だ。そしてアリストテレスは手紙を受け取って読むと、血相を変えて勢 い良くダッシュしはじめました」 キラーク「こっちに向かっているのか?」 DM「いや、なんか自分の屋敷に向かったっぽいよ。しばらくすると、屋敷から出て、こっちの塔 に向かって来ている」 キラーク「一人か?」 DM「彼女一人だね」 クロト「う…う〜ん…(←何か思い当るらしい)。本当に一人なのかな…」 キラーク「戦士だけなら魔封じの宝石はいらんか」 カナート「私の魔法も使えなくなってしまいますから」 ここで、初めて彼らは判断ミスを犯した。それは、相手が戦士一人と見て、魔法を無効化して おかなかったことである。クロトのプレイヤーはベテラン(RPG歴十五年)なので、何か臭いも のを感じ取っていたようだが、場の流れはそのままイケイケムードになってしまっていた。 そして、最後の最後で、彼らは自分たちがミスをしたことを思い知るのである。 DM「では、塔の扉が開いて、剣と鎧で身を固めた戦士が入ってくる」 クロト「本当に一人?注意してみてみるけれど」 DM「では、知恵チェックしてみて」 クロト「なんで知恵?(ころころ)…失敗」 DM「なら、よくわからんよ」 カナート「奴が入って来た瞬間に、ファイア・ボールを打ち込んでやる。不意打ちだ!」 DM「いや、無条件の不意打ちは無理だ。向こうも警戒しているからね。d6を振って1か2が出 たら不意打ち成功だ」 カナート「なんと!(ころころ)ふふふ、不意打ちですよ、皆さん。と、いうわけでファイア・ボー ル!(ころころ)12点!」 キラーク「死んだか?」 DM「なんの!(ころころ)抵抗成功だから、ダメージはたいしたことがない!しかも、こいつは 炎のダメージを軽減するのだ」 クロト「と、いうことはファイア・レジスタンスの指輪があるんだ!」 DM「そういうこと。ちゃんと用意はしているよ。ダメージが6dだから…おっ、ちょうどダメージは ゼロ!」 カナート「な、なんと!」 DM「さあ、イニシアチブだ!(ころころ)5!」 カナート「(ころころ)負けた!」 クロト「さっきの爆発の時、何かアリストテレスの後に影が見えたとかなかった?」 DM「なら、クロトは敏捷チェックして」 クロト「(ころころ)今度はセーフ!」 DM「なら、たしかにクロトは見たよ。アリストテレスの、いや、剣のアリスの後にもう一つの影を (笑)」 クロト「やっぱり、テレスの方も着いてきていたんだ!」 DM「そりゃ、当然だ。そして、テレスの姿も実体化する。二人揃ってアリストテレスだ。テレスの 方もインビジビリティで隠れて、姉の補助に常にいるのさ」 クロト「しまったぁ!もっときちんと確認しておけばよかった!」 ちなみに二人のデータは以下の通り。二人そろって魔剣のアリスとテレス。 剣のアリス(人間・戦士・女) LV8 HP45 AC1 ダメージD6+1 魔のテレス(人間・魔術師・女) LV8 HP30 AC6 ダメージD4 クロトは後悔するが、もはや後の祭り。攻撃順番はアリス&テレスの方に移る。そしてテレス は呪文を唱え始める。目には目を。歯には歯をのファイア・ボールが炸裂だ。 DM「さあ、d8のファイア・ボールが炸裂だ。すまんが、死人が出るかもしれない」 ブライトネス「拙僧、もう駄目かも…」 DM「(ころころ)ダメージ29点」 ブライトネス「あっ…そ、そうだ。ファイア・レジストのリングを拙僧も持っていた!8点引いて21 点。(ころころ)ダルージが半減して10点…なんとか生き残った!」 カナート「あっちゃっちゃ!こっちも成功したけれど、14点食らった!」 キラーク「魔封じの宝石を填め直せ!」 クロト「もう、そんな時間はない!突っ込むしかない!」 こうして、ミスを激しく後悔しながら、アリスとテレスとの戦いは進む。 キラーク「全力移動で突っ込む!もう余裕は無い!」 カナート「今度、テレスの魔法を食らったら命がないぞ」 DM「二人で一人のアリスとテレスは正直強いよ」 ダルメ「私ももうボロボロです。ここは、一か八かのホールド・パーソンを!」 ブライトネス「拙僧、今日は持っています」 ダルメ「じゃあ、私と連続でテレスにかけましょう。どっちかが成功すれば、テレスを封じ込める ことができる」 ブライトネス「で、乾坤一擲のホールド・パーソン!」 ダルメ「頼む!ホールド!」 DM「では、ダルメの魔法から処理しよう(ころころ)。抵抗した!」 ダルメ「神よ…」 DM「では、ブライトネスの魔法だ。(ころころ)失敗!テレスはマヒした!」 一同「よっしゃあ!」 カナート「よし、あとはアリスだけだ。マジック・ミサイルを打ち込むぞ!」 テレスが倒れてしまえば、あとはアリスだけ。アリスも相当バワフルに暴れ回るが、さすがにド ワーフとの一騎打ちは不利である。魔法の援護もあるので、アリスはジワジワ追い詰められて いく。 ダルメ「目つぶしのライト!」 DM「(ころころ)あっ!目…目がぁ!」 一同「よっしゃあ!」 キラーク「いくぞ!ストライキング付きのバスタードソードを喰らえ!(ころころ)命中してダメージ は13点だ!」 ダルメ「メイスで殴ってダメージ4点!」 DM「それでアリスは倒れる」 カナート「凄い!坊主が戦士を殴り殺した!」 ダルメ「ふふふ、今日から将軍スレイヤーと呼んでください(笑)」 目つぶしも喰らったアリスには為す術はなかった。アリスは倒れて地面に転がる。こうしてとう とう、ノース・コースト司令官アリスとテレスも彼らデミヒューマン軍団の前に屈したのであった。 DM「では、アリスとテレスは倒れました」 カナート「呪文書を奪って二人を捕虜にしよう」 一同「やったぁ!終わったぞ!(拍手)」 DM「まだ、完全に終わったわけじゃないんだけれど」 ブライトネス「たまたま手に入れたファイア・レジストリングがなかったら拙僧は死んでいました」 クロト「ホールド・パーソンが効いたからよかったけれど、油断は禁物だったね」 カナート「しかし、なんとかボスを捕まえられたからよしとしよう。あとは、魔術師軍団をこの塔に おびき寄せるだけだな。まずはデミヒューマン感知装置を再度セットしよう」 ダルメ「すると、塔の上からデミデミ、デミデミというアヤシイサイレンが…」 DM「いや、そんなサイレンは…まあ、いいか(笑)。では、塔の上からサイレンが鳴って、魔術 師軍団がこの塔を目指してやってくるけれど」 カナート「そこで魔封じの宝石にチェンジするわけだ。狼煙を上げて、総統達にも突っ込んでも らおう」 DM「では、ベルンシュトルフ将軍を先頭に、北門からノルキスタン軍が傾れ込んできました」 カナート「高みの見物をさせてもらいましょうかね」 DM「所詮魔法を封じられた魔術師軍団は敵ではなく、ベルンシュトルフ将軍のウォークローの 前にバタバタと倒れていきます」 キラーク「無惨だな。誰だ、こんな酷いことを考えた奴らは(笑)」 DM「おめーらだよ(笑)。そうしているうちに魔術師軍団もあっさり全滅するぞ」 こうして、魔術師軍団とアリスとテレスを彼らは片付けた。そして、いよいよ最後の戦後処理 に取り掛かる。 (8)ノース・コーストの落日 DM「では、総統を始めとして皆は市長の邸宅に招かれます。市長は『いや、よくいらっしゃいま した。我々はノルキスタン軍を歓迎しますよ』と低姿勢です。総統は『この街はこれからノルキス タンの支配下に入る』と宣言します。市長は『我々はニュースロイトの支配よりノルキスタンの 支配を喜んで受け入れます』とおべんちゃらです」 カナート「いや、素晴らしい!市長さん、あなたとは上手くやっていけそうです(笑)」 ダルメ「気をつけないとすぐに裏切りそうな人物っぽいですね」 DM「総統が『当分はこの街にベルンシュトルフを置いて、我々の管理下におかせてもらうが』 と言う」 カナート「それは賢明です。間違っても総統ご自身が管理されてはいけません(笑)」 DM「総統はこれから、ニュースロイト政府と、和平の交渉に当たるらしいよ。こっちには人質と いう切札もできたしね」 ダルメ「アリスとテレスのお嬢さんですな」 DM「『うむ。彼女たちはニュースロイト総督の姪だからな。これは大きな切札だ。君たちの功 績は素晴らしいぞ』と総統」 カナート「ところで、総統、報酬のほどは?」 DM「そうだね。君たちの報酬としては、この街の魔術師ギルドにあった魔法の品を全部進呈 するそうだ」 クロト「凄い!いいの?」 DM「魔術師ギルドをつぶして、代わりに政府関係機関を盗賊ギルドにするそうだから」 カナート「そうか。ヨカナンさんも我々に協力してくれたし、そうなるのか」 DM「では、これで話を絞めさせていただきます。この街はベルンシュトルフさんが統治し、ノル キスタンはニュースロイトとの和平交渉を行なうことになりました」 カナート「これからは総統でなく、将軍に尻尾を振った方がいいのか(笑)」 DM「君たちはベルンシュトルフさんの部下として、しばらくこの街に駐屯することになります」 カナート「そうだ。ここで、以前に手に入れた若返りポーションを献上するんです。将軍!これを 飲んで、我が軍の為にもっと活躍してください。正直、あなたがいないとこの国はピンチです。 いや、マジです!」 ダルメ「どう考えても、総統に長生きしてもらっては困りますから(笑)」 DM「では、これにてニュースロイト島を部隊にしたデミヒューマン・キャンペーンは第一部が無 事に終了しました。もし今後第二部があるとすれば、ニュースロイトの首都に行くか、もしくはス ロイト本国に渡っての政治的交渉のお話になると思います。まあ、なにはともあれ、滅亡寸前 だったノルキスタンは救われ、ニュースロイトにはデミヒューマンの勢力が築かれたのでした。 それでは、また別のシナリオでお会いしましょう」 (作戦完了!) |